例会報告 2011年 6月

 

  

【 概要 】

日 時:2011年06月12日(日)13時〜16時
会 場:キゴ山天体観察センター
出席者:11名

今回は 中嶋会長が欠席のため米林氏に司会を努めていただきました。


【定例会内容】

☆自己紹介:越坂
現在は、某保険会社に勤めています。以前は、某データ社や●電気工業でも技術として勤めていました。
大学は富山大で天文部に参加しプラネも作っていました。小さな頃から星を見ていました。
天文のほかに、西洋占星術・太極拳・ブラスバンド・合唱・Macを趣味としています。

★竹内泰子先生の追悼本「星にささげる瞳」:長
TEKEUCHI.JPG - 55,411BYTES 先にMLのほうで紹介しましたが、昨年亡くなれた日本の変光星観測者の中でも
 有名な竹内泰子先生が長年書きためたものが本になりました。
 500冊限定の自費出版本です。2冊いただきましたので 金沢星の会とキゴ山天体
 観察センターに配置します。 星の会用の1冊は現在日尾さんが読んでおられます。

 見ての通り、大変立派な書籍になっています。内容は、第一部が泰子先生の思い出
 をよせがきにしたもの。第二部は泰子先生の描かれた絵画や写真を紹介したもの。
 第三部が長年書留めた原稿と随想録、年表になります。

 アマチュアと言えど多くの研究者や観測者を育てた方で、いつも控え目でありながら
 観測は行動派でした。

 

☆変光星観測について:長
竹内先生の取組んでこられた変光星観測の意義について説明します。
星図や星表を見ると光度の変わる恒星のことが記されています。これは時間を掛けて多くのアマチュアや
天文台にて観測した結果をデータ化したものです。星図や星表には変光しない(=変光星ではない)と
されている恒星もあります。これらは現在、単なる恒星とされていますが観測を続けるといずれ変光する
かも知れません。

変光星観測は、なぜ星の光度が変わるのかを調べることにあります。色々なアイディアから仮説を作り
検証するために更に詳細な観測を行い実証して行くのです。
「食変光星」は記録をとっていると比較的早く結果がでます。観測から得られた周期性のデータから、伴星の
大きさや形状、個数が導き出されます。

一番面白いのは「一見不規則に見える周期性」です。一定の周期成分を引き算して、残りの複雑な周期から
規則性のあるものを探すわけですが、この何が原因なのかを想像するかが面白いのです。
例えば、大きな黒点が発生しているとも考えられます。また恒星自体が明るさを変えているかも知れません。
その中で、光度だけでなく単純に色も変化しないか観察します。変化があるようなら精密にスペクトルをとるのです。これらのことで遠くとも恒星の様子や規模を計測することが出来るのです。

 

★野々市町あらみや公園におけるセッティングにつて:長
今回の例会にまにあうように準備していましたが、急な仕事が入り途中となってしまいました。原稿が出来
上りましたらPDFにしてホームページで紹介するか、会誌「cosmos」の原稿にして紹介しようと思います。

観望会の準備は昼間に行うわけですが、北極星が見えない中のセッティングは方位磁石に頼ることになり
ます。しかし、ご存じのように方位磁針(コンパス)には偏角があり正確な真北を示しているわけではありま
せん。
(参考:「磁石の北と地磁気極と磁極」: http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/poles/polesexp-j.html )
例えば野々市町では 西方7°20′の偏角があります。

先日のあらみや公園で行われた観望会では、黄砂の影響もあり暗くなっても星ひとつ見えませんでした。
このような条件でも古参のメンバーは望遠鏡に土星を導入して集った人たちに見せています。
ファインダーでも見つけることの出来なかった天体をいかにして導入するのか? このテクニックと基本的
なセッティング方法について解説するつもりです。

また、公園に敷かれているインターロッキングブロックは北に方位を合わせてあると言われていますが、
この検証も行いました。結論から言うと僅かにずれていました。ブロック11個で1個です。

 

☆野々市町あらみや公園の観望会:松田
先日の観望会ではお世話になりました。おかげさまで250名ほどの見学者も集まったようです。
全員ではありませんでしたが、おおよそ半分の方は土星を見ることができたようです。
野々市町情報交流館カメリアのホームページにこの時の様子をレポートしてありますので
ご覧になって下さい。 http://camellia.nono1.jp/2011/06/hoshizora-2/

次回の観望会についてですが、
8月6日(土)に「夏の星空観望会」を、9月3日(土)はカメリア祭りの中での観望会を計画しています。
将来的には、ジャズバンド,朗読会など他の団体とのコラボレーションも出来たらいいなと考えています。

[感想]
・望遠鏡の横に 「今何を見ているか」を表示するボードがあったらいいですね。(松田)
・車椅子で来られている人がいましたが、覗く場所の高さが合わずに見せることが出来なかった(T.H)
A.いつもは長さんの望遠鏡にカメラを付けて投影していましたが、今回は導入できた望遠鏡が
  少なく投影に回せなかった。(・・・要スキルアップということですね 汗;)
・子供が乗る台があればよかった。(T.H)
A.毎回カメリアのほうで用意していましたが、すみません今回は手配を忘れました。
・子供が走り回っていて望遠鏡のコードを引っ掛けないかと冷や冷やものでした。(T.Y)
A.カメリアスタッフで見つけたら注意していましたが手が足りていません。工大さんの中で
  警備斑を編成していただけると助かりますがどうでしょうか?
・次からの観望会では土星の高度も低くなり、月も低いです。また雲が出た際に雲間を縫って
 見れるものを渡り歩く必要もあります。いろいろなケースを考えて、何を見せるのかという
 事前検討をしたほうが良いと思います。(T.Y)
A.そうは言われても

※色々なアイディアが出てくると思いますので、今後もMLを通じて討論しましょう!!

 

★カメリア観望会写真:山川
と、言うことで、カメリアのあらみや公園観望会のスナップ写真です。
今回初めて「天体観望会開催中」の幟り旗を掲げました。
頂いた旗は5枚ですが、今回は3本の旗を立てました(竿は長さん、台は役場からお借りしました)。
旗の掲示には役場の中のいろんな部門の許可が必要で、前もって設置する場所を決めなければ
なりません(松田さんご苦労様でした)。
この効果もあり数多くの方が訪れていただけたような感じがします。立っているだけでも何だか
イベントを行っている実感がもてます。

尚、この幟り旗は室石さんからの寄付でした。(昔、某氏に買わされたと言う噂もありますが、、)

 

☆土星:長
天候不順の中で、せっかく撮影したのにデータが入ったハードディスクがクラッシュするなど、不運な月
でした。クラッシュしたハードディスクの中からやっとの思いで復活した土星画像を紹介します。

口径22cmのシュミカセにWebカメラを取付けて撮影を行いました。 3段階の引き伸ばし拡大を行った
なかで中間の拡大が一番良い結果になりました。この望遠鏡は現在オークションに出品していますので、
これが最後の作品になります。
私は必ずダークを引き算しています。ノイズ対策だけでなくこうすることでC環が表現できるからです。
C環が処理の目安になっているのです。


★土星と月:Dr加藤
50cm反射望遠鏡にWebカメラを取付けて撮影した昨夜の土星を紹介します。
ずいぶん古いWebカメラの特性なのか緑色がやや強いです。ダークは撮っていません。

月面は屈折で撮影したものです。焦点距離があるので直焦点でもでっかく写ります。
RegiStaxのアライメントは3箇所程度です。その関係で処理されなかった継ぎ目部分に直線が描かれて
しまいました。気流は悪いです。※月面は全面でチカチカしています。

こんなのを見つけました(長)。
http://astro.hobby-site.com/guide2/76_wcctrl_menubar2.html
http://yda.fc2web.com/hosiWBrepo04.html

☆柳田植物園よりたより:長
MANTENBOSHI201106S.JPG - 17,712BYTES
 金沢星の会では合宿に柳田植物公園「満天星」のコテージを利用したりして
 いますが、このたび、植物公園から合宿プランのパンフレットが届きました。
 それによると二食付きの割安料金のあんないでした。
 経営が大変なんでしょうね。
 BBQもできますので、一度は検討してもいいかも。

 

 

 

☆プロミネンスと太陽活動についての質問:北野
先日も巨大なプロミネンスが発生してYoutubeにもでていましたが、太陽活動は復活したのですか?
http://www.youtube.com/watch?v=1K52xnJPVQg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=14vlh_537V8&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=NJN0hWMrugE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=3BzXVPxg3kE&NR=1
http://www.spaceweather.com/swpod2011/07jun11/cme_c3.gif

現在、太陽は復活の兆しを示しています。ただ、過去の極大への立ち上がりより鈍いように思えます。先日もNHK番組で紹介されていますように活動周期が延びていることは確かです。このままでは13〜14年の周期性になりそうです。カリントン期を放送では扱っていましたが、カリントン期の様子とは少し異なると思います。これは前々回の終わり方と立ち上がり方の傾向がカリントン期t異なるからです。

★次回の例会

  7月10日(日)13:00  銀河の里キゴ山天体観察センター内レクチャールームにて

 

これは、長さんが書かれた例会報告をベースに
ホームページ向けに山川が加工したものです
2011.6.13 

 

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