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★ 星を見る機材(お子さま向け)
キゴ山ふれあい研修センターにて星空案内のお手伝いをしているときに 親子連れの方からお子さんの望遠鏡はどういったものがいいでしょうか?など訊かれることがたまにあります。ガチな望遠鏡をお勧めしたりするメンバーもいるのですが 私は望遠鏡ではなく双眼鏡を買われることを勧めています。
火星や土星・木星といった惑星や系外銀河などは100倍程度〜の倍率で見ることが多いので望遠鏡が必要になりますが、高倍率で見るために機材の扱いが難しくなり機動性が悪くなります。自宅から近くの公園まで機材を運び、望遠鏡に組み立て 椅子やアイピースなど副機材を運び さぁ天体観測を始めるぞ!というのはちょっと気合いがいります。
その点、双眼鏡では 双眼鏡・星空案内図・シートぐらいあれば気楽に出掛けられます。それに双眼鏡ならではという天体も結構ありますので まず、双眼鏡を手にすることから始めるのがいいと思っています。
・双眼鏡の選び方
星空を見るための双眼鏡はどうしても少し大きめなものになります。オペラグラスに代表される小型の双眼鏡では力不足です。高級なものはやはりよく見えるのですが、お子さまはどうしても一度は分解したり、ぶつけたりして壊してしまうものなので あまり高級なものはまたお勧めしません。なので
口径(レンズの直径)40〜50mm 倍率 7〜10倍 実売価格1〜3万円 程度を目安にしてくださいとお答えしています。
さて、双眼鏡を選ぶときにカタログを調べると思いますが そのカタログにのっているスペックデータについてコメントしておきます。
ひとみ径: 双眼鏡の明るさです。 (口径÷倍率)の値で示されます。
暗い星空を見るためには 最低でも ひとみ径は4mmぐらいはいります。 7mmもあると優秀の部類
見かけ視野: 7倍の双眼鏡では50°10倍の双眼鏡で65°程度のものが使われます。
実視界 : 双眼鏡をのぞいた時の実際の空の広さです。 7°前後に設計されているものが多いです。
この値が狭いとなにかに使いづらいですが 倍率とバーダーされます。
倍率: 7〜10倍のものを選んでください
10倍を超えると三脚などに固定しての運用が必要になり 特殊な用途になります。
平行度: 双眼鏡は左右に低倍率の望遠鏡が並んでいるようなものです。
この二つの望遠鏡が平行でないと左右の像がひとつにならずズレて見えてしまいます。
像がズレてしまうと よく見えないだけでなく お子さんの場合はそれをひとつに見ようと
目が調整しようとし斜視になってしまうことがありますので注意してください。
落下させたり、ぶつけたりすることで発生します。メーカ修理が必要になります。
オークションなどでは注意してください。
・双眼鏡で見る天体
月 : 双眼鏡なら月の全体を見ることができます。
木星: 木星表面の縞模様は見ることはできませんが 頑張ればガリレオ衛星を見ることができるかも?
彗星: 世間の話題にのぼるほど地球に近づいた彗星は双眼鏡ならではの見え方をします。
球状星団: ぼんやりと見えるだけで双眼鏡では楽しくない
M31 アンドロメダ銀河: 望遠鏡では苦手な対象です 双眼鏡ならではという天体
M33 さんかく座の銀河: M31を見たときについでにという感じ 望遠鏡のほうがよい
h χ (エイチ・カイ): カシオペア座近くにある散開星団 双眼鏡では二つの星団がひとつの視野の中に入る
双眼鏡ならではの見もの
M45 プレアデス星団(すばる): 双眼鏡で見るのがもっともいい
Mel.20 (メロット20): ペルセウス座α付近の星の集まり 散開星団です 双眼鏡がちょうどいい
M36 M37 M38: ぎょしゃ座にあるみっつ並んだ散開星団です。双眼鏡の視野では一度にふたつ見ることができます
散開星団のひとつひとつの星を見るには望遠鏡があったほうが良い
M35: ふたご座の足下にある見やすい散開星団
M41: シリウスのそばにある散開星団
M42 M43 オリオン大星雲: 双眼鏡でよく見る天体です 探しやすく見て楽しい散光星雲です
M44 プレセベ: ふたご座の一等星としし座の一等星のちょうど中間あたりにあるかに座の散開星団です
双眼鏡で見るのがいちばん
Mel.111: かみのけ座 星座自身が散開星団となっています。 双眼鏡で見るのがちょうど良いサイズです
さそり・いて座付近: 散開星団がいっぱいあります M6 M7 M8 M22など
双眼鏡で適当にふるとなんか見えます。 はい。
コートハンガー星団: 夏の大三角形ベガとアルタイルを結ぶ線のアルタイル寄りにある星団
服をつるす衣紋掛けのような形をしていることより呼ばれる。見つけやすい
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