2014年 5月例会報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2014年5月11日(日)
 会 場 :キゴ山天体観察センター
 出席者 : 17名


【例会内容】

☆飛騨天文台ピンチ:長

再生医療などの分野に資金を重点配分する国の方針から、京都大学・飛騨天文台の予算が減少しています。
そして、とうとう2013年度に SMART(太陽磁場活動望遠鏡)の維持費が打ち切られました。
国から年1500万円の望遠鏡維持費が打ち切られたため、京都大学では最悪の場合には花山天文台を閉鎖してその運営費を飛騨天文台に充てざるを得ないという事態になっています。
京都大学では天文台を維持していくため「天文台基金」を儲け一般の方々からの寄付を募っていますがさい先はよくないようです。

新聞記事(中日新聞 5/10朝刊
http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=178213&comment_sub_id=0&category_id=112
京都大学理学研究科附属天文台基金


☆シニア宇宙塾:池端

キゴ山天体観察センターで行われている恒例イベント「金曜日は星見の日」は、今年も5月から始まりました。初日より50名の来館者がありました。その際には星の会の方々にお世話になりました。
そして、今年からの新イベント「シニア宇宙塾」が今月16日から開講になります。受講生の募集は終了し、20名の参加があります。今年度は『天体観察の基礎知識』をテーマとし、全6回行われます。
詳しくはウェブをご覧ください → シニア宇宙塾 

初日は金沢星の会から会長の中嶋さんと事務局の長さんに出席して頂いて開講セレモニーが行われます。
8月を除いて第3金曜日に開催します(8月は第4金曜日)。
「金曜日は星見の日」イベントと同時進行になります。


☆カメリア観望会:松田(代理;長)

5月31日(土)に野々市市情報交流館カメリアによる「春の星空観望会」を開催します。
ご協力いただける方は、準備の関係上、5月20日ごろまでにメーリングリストにて表明をお願いします。

今回はオプションとして昼の部があります。15:30〜日没頃まで望遠鏡を使って太陽観測を行います。
てんとう虫天文同好会の辻さん より、CORONADO φ70mm F400mm の太陽望遠鏡を借用する手筈になっています。 昼の部は河合、長が望遠鏡を準備してあたります。


☆子どもの日なので高度30000mまで鯉のぼりを揚げてみた:長

個人のものづくりを応援するメディア「fabcross」からGW特別企画として
『子どもの日なので高度30000mまで鯉のぼりを揚げてみた』という動画が掲載されています。

ニコニコ動画にもあがっています。

似たようなものとしてアメリカの学生がキティちゃんのぬいぐるみを高々度にまで揚げたことがあります。
YouTube: HELLO KITTY IN SPACE



☆遠征の成果:樋口

セレストロンのC8を長期借用できることになりました。F10ですので焦点距離は2032mmあります。これにKenkoのクローズアップレンズ#4を組み合わせて使います。合成のFは1660mmぐらいでしょうか。
南砺市丸山山頂付近で撮影してみました。
撮影条件は Canon EOS Kiss6i(改) ,Vixen  GPD2 ,ISO18600 , 60sec×7〜8枚 ,光害カットフィルタ使用
テスト結果は良好でした。これからこの機材を加えて撮影していきます。

☆工作:樋口

C8の元のファインダーが暗視野になっていなくて使いにくいです。そこで、暗視野照明付の成立ファインダーを載せました。そして、その上に等倍ファインダーを乗せ、三段亀の状態にしたところ、これが実に具合よく使い易いです。

☆GWの遠征:岩瀬

白山麓にて4/25、5/2、5/3の3日間撮影してきました。

4/25(金): 最初はキゴ山に向かいましたが着いてみると空が明るくこれは無理と判断し、すぐ白山麓のほうへ移動しました。この日は透明度が悪かった のですが、 M51、アンタレス付近、マルカリアンの鎖、サドル付近、夏の銀河を撮影しました。 10cmでも結構良く写るもんだと感動!です。

5/2(金): この日は最初から白山麓へ向かいました。途中白峰で山菜そばを腹ごしらえしてから入山です。撮影条件は ISO3200 露出1分30秒×8枚(総露出12分)を基本としました。
この日は銀河を中心に攻めました。焦点距離400mm(レデューサを使用)なので小さくかわいく写ります。それでも拡大すると詳細な模様が確認できます。
撮影したのはM97、M110、M97、M65、M66、NGC3628、M95、M96、M105、M14、M61、M49、M83、M68、M109、M106、M63、M101、M102 です。
明け方前になってM20、M8付近を総露出50分程度で狙いました。良く撮れました。

5/3(土):  二日連続の白山麓です。この日のテーマは「猫の手」の撮影です。
本日は機材にLPS-D1を追加しました。まず最初はM51に接近しているパンスターズ彗星の撮影しました。撮影した画像から動画を作成すると彗星の動き がよく分かります。また、山際にオメガ星団が顔を出していたので撮影してみました。実は見るのも撮るのこれが初めてです。 M17、M4などを撮った後に 本日の最大イベント「猫の手星雲」とM20、M8を総露出124分(2分×62枚)にて撮影しました。



☆作品をプリントしました:中嶋

私も石原さん、岩瀬さん、新田さん、日尾さん達と一緒に二晩連続で白山麓にて撮影してきました。
今回のテーマは白山をバックに横たわる天の川です。広角で狙いました。
撮影条件はISO1600 1分×3枚です。


☆惑星などを撮影しました:河合

昨夜は大変良いシーイングでした。口径11.5mmにナグラー7mmを付けて、一枚撮りで火星、土星、木星を撮影しました。本当にピタッと止まった気流だったので、思いのほか旨く撮影できました。


☆色々を成果紹介:米林

皆さんとは逆に 昨晩の我が家では気流が悪く星が揺れてどうにもなりませんでした。 
そして、皆さんが撮りに行っていたGWの白山麓は二日目だけ参加しました。 岩瀬さんが見つけたω星団もなんとか撮影しましたが、すぐに山に隠れてしまったので一枚だけです。


☆スカイサファリ プロ:日尾

GWの白山麓は10cmを持ち込んで主に観望に勤しんでいました。最近の注目はおとめ座のポリマです。この二重星はしばらく前まで見ていても分離が難し かったのですが、最近は余裕で分離して見えるようになってきました。170年の周期で楕円軌道を描く二重星で年々離角が変わってきます。最も近づいたのは 2005年で今は徐々に離れていっています。
この様子をSkySafari proでシミュレートすることができます。SkySafari pro はiTunesストアで\3,500ぐらいしますが、実はちょくちょくセールをやっています。ポリマの動きをシミュレートしてみると動きが早く大きいので 勉強になります。


☆5月24日きりん座流星群

リニア彗星(209P/LINEAR)の残した塵が地球の近傍を通過するため出現が期待されている(仮称)きりん座流星群ですが、出現予想時間は 16時(JST)頃と 日本では昼間にあたります。条件が良いのは北米大陸ですが、何が起こるか分からないのが流星群ですので期待しないで観察しましょう。 日本で暗くなるのは 予想ピークを過ぎてからですが、その時にどれだけ残っているか?ピーク後ですから大きな塵があるかもしれません。火球が発生するかも? 分かっていないこ とを観察できる絶好の機会になります。
リンク: アストロアーツの解説記事


☆COSMOS:中嶋

7月に本年度のCOSMOS発行を予定しています。原稿を大募集しています。
(注; 3月に発行したのは遅れた2013年度分です)

原稿締め切りは一応6月の例会にしています。 7月の例会に皆さんにお渡ししたいので
是非原稿のご協力をお願いします。



★次回の例会

 6月8日(日)13時〜
  キゴ山天体観察センターにて行います

 


  これは長さんが作成した例会報告をウェブ用に山川が編集したものです。

2014.5.18


先月

 

来月