2017年 5月 定例会 報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2017年5月14日(日)
 会 場 :銀河の里キゴ山 ふれあい研修センター  天文学習棟 宇宙科学工房
 出席者 : 14名

好天に恵まれた一ケ月で 成果が多く期待された例会になりました。
いつものように キゴ山に到着すると既に車がドカッと並んでいました。
母の日でもあり、二次会の開催は行いませんでした。

【例会内容】

☆将軍塚青龍殿:長

 甥の結婚式があり京都へ行きました。
到着が早かったものですから 花山天文台へむかい 特別展示されているガラスの茶室が出されている将軍塚青龍殿に行きました。
時間があるようなら天文台の方にも顔を出そうと考えていましたが、そこまでは時間がありませんでした。
将軍塚は昔からあり、東山ドライブウエーの山頂となっていたことがあります。
ドライブウエーの古い展望台と その後に将軍塚に作られた鉄骨造の展望台、そして清水舞台に似せた木造の展望舞台があります。

ガラスの茶室はこの一番新しい展望台にあります。
あいにくの黄砂で霞んでいましたが、北に強く輝く物が見えます。
直ぐに京大キャンパスのドームだと気づきました。
ついでながら西に見える四条木屋町を望遠レンズで覗くと喫茶店ビルの屋上にあるドームも良く見えました。

京都市内には十数カ所の個人を含む観測所があります。衣笠にあった個人の物は既に撤去されていました。
産業大学のドームは手前の小山に阻まれて見えません。逆に言えば京都の街明かりを避ける位置に設置されていることが判ります。
比叡山が見られますが、その昔、花山天文台で中村要さんや藤波さんが望遠鏡やカメラのテストに比叡平とケーブルカー駅を撮影対象にしていたことがあります。

☆流星刀:長 

富山天文台で白萩隕鉄第2号の現物と白萩隕鉄で作られた刀が展示されているので見に行きました。
展示されていることは知っていたのですが、頭の中で連休にしか行けないなぁ、と、思っていたのを思い出したら終了間際になりました。
以前にも見る機会が無かったわけでは無かったのですが、やっと本物を見ました。
大抵のところではレプリカなのです。
次回は福井で展示されるそうです。流星刀の刃面は美しい木目調の鍛錬です。

☆キゴ山整備の工具:長

メーリングリストでも問いましたが、キゴ山の望遠鏡メンテナンスに必要と思われる工具の購入についてご意見を聴きたいと思います。
思いつくまま一覧しましたが、必要だと思われる工具は他にもたくさんあると思われます。
整備するには色々と買い揃えて行きましょう。
寄贈される望遠鏡のメンテナンスも委託金からなさねばなりませんので、メンバーの同意が必要になります。とにかく見積もりを作ることに致します。

☆金沢大学天体観察講座前期:長

今年も行うことになりました。前期4回、後期2回です。
初回は50cmの光軸調整を行うことになると思っています。

☆福久観測所訪問:長

小松の大杉さんから石川県でタカハシのμ300を持っている方が居られたと聴いたことがあるけれど知ってますか?との問い合わせで福久さんの観測所を訪れることになり昨日行ってきました。
バス停の真ん前なので駐車するところが無く、田中にお世話になって同業者の不動産屋に駐車させてもらい伺いました。
ご自宅の屋上にあるわけですが、当初は一番高いところだったので見晴らしが良かったので道路側に建てていたそうですが、両隣に高い建物が出来、しかたなく置く側に移動したそうです。

我が家より遥かに気流が良さそうでした。

Cチャンネルを精度よく曲げ加工したトラックレールが固定され、内部に差し込むようにローラーが付けられている構造で大変勉強になりました。
これなら強風対策も兼ねられます。スリットはなんと1秒で開閉できます。

EM500にμ300が鎮座胃していてデカく感じます。
ドーム回転はモーター音が大きかったので現在は取り外して手動で廻されていますが、軽く廻るので充分です。むしろ素早く動かせるので良いかも知れません。

☆M-GEN のガイド効果(性能検証):越野

M51とM81について、”ガイドなし”と”ガイドあり”の画像(ガイド状況)を「ガイド値」で定量的に比較してみました。
結果、その時の機材のセッティングや大気の状況によって多少変化しましたが、良好なデータ(効果)が確認できました。

☆ステライメージ8へのVer.UP効果(メリット):越野

・RAW現像からコンポジットまでの全行程を”1ボタン”で自動処理してくれる。
・各画像のガイド状況が定量的に数値(ガイド値)で確認でき、かつ数値指定により自動選択してくれる。
・階調、色調、鮮鋭度等が1つの画面でスライダーにより直接、画面を見ながら調整できる。

 以上が主な効果(メリット)で、初心者にとってはかなり有り難いものです。

上記のアイテムを実際に使ってみました。
かみのけ座、りょうけん座、うみへび座等の銀河を5分間露光の5枚コンポシ゛ットで撮影 及び 画像処理しましたが、全て”点像”に近く、かつ処理も大変スムーズに行え、満足しております。
…これからの出陣が楽しみになりました。


☆3月満天星合宿(3/25):山川

遅くなりましたが3月合宿の成果です。41P/タットル・ジャコビニ・クレサク彗星 及び アンタレス付近を撮影していました。どちらもRAWに設定するのを忘れ しかもDark/Flatの撮影を忘れたため時間を掛けた割にはうまくありません。機材はD5300(改造なし)SigmaAPO 100-300mm F4 EX IF HSM Kenko SkymemoS

☆5/1 ISS日面通過:山川

わざと予報センターから離れた地点にて撮影しました。ISSを止めて撮すにはシャッタースピードが少し遅すぎましたが一応成功の部類でしょう。

☆5/3 月面X:山川

夕方になって晴れていることに気付き急いでセッティングして撮影しました。19時半頃から22時半頃にかけて4秒間隔にて撮影。タイムラプスとしてXの変化を見ました。

☆5/7 ポリマ食:山川

D5300の動画モードにて撮影しました。ファイルが壊れていたみたいで例会ではお見せできずすみませんでした。

☆先月に引き続き写真撮影満喫:岩瀬

4月からGWにかけては好天に恵まれ、10回の出撃が出来ました。また、ISS太陽面通過やおとめ座ポリマの星食等イベントもきっちり晴れ、多種多様なことに挑戦できました。特に、20cmシュミカセが、惑星撮影/銀河・星雲撮影/ISS太陽面 通過/星食と大活躍です。

☆木星、土星:牧野

コンパクトカメラ+コリメートで撮影しています。レリーズアタッチメントを付けて約1コマ/秒撮影し、240枚スタックしました。これ以上細部を写すには動画にする必要がありそうです。Registaxのウェーブレット処理をキツくし過ぎて平面的になってしまいました。機材:ミューロン180mm、LE7.5mm、Panasonic LX5 (合成f=5530mm、F 1:30.7)

他、アルデバラン食と、満点星合宿でのドームを入れた星景です。


☆八ヶ岳で星景写真!:中川

5月5日〜6日にかけて、長野県野辺山高原の平沢峠駐車場に星景写真を撮りに行きました。八ヶ岳に月が沈んでゆく景色はとても神秘的。月が沈むと、東の空には天の川が、肉眼でもよく見えました。一晩で月と天の川、どっちもエンジョイな八ヶ岳でした。

☆3月から5月にかけての以下の星景写真:立岩

撮影したコマを紹介します。

・3月25日
 *柳田満天星での春合宿で撮った火球の写真:
      2台目のカメラで沈み行くオリオン座のタイムラプスを撮っているときにラッキーにも火球が写りました。
 *縄文真脇遺跡木柱と日周運動の写真:
     三脚を伸ばさず低い位置から見上げるように撮りました。
     木柱の間に北極星が入ったのはラッキーでした。
・4月22日
  *柳田満天星桜の写真2枚:
     LEDライトに不織布を付けて減光してなるべく自然な感じで桜に色を付けました。
・4月28日
  * 医王山水鏡の写真1枚:
      GW時期に田んぼに水が張られるのを利用し地上の星撮影です。
・4月29日
  *西山日周運動の写真1枚、天の川の写真2枚:
     天の川が昇る前に日周運動を撮り、12時過ぎから場所を代え望岳苑付近で白山と天の川撮影しました。
・5月3日
  *大日川上流のキャンプでの日周運動の写真1枚、天の川の写真1枚:
     普段は撮れない焚火と星の競演を狙いました。
・5月4日
  *輪島千枚田での日周運動の写真1枚、月の写真1枚:
     千枚田では上部の道の駅付近は外灯の明かりがきついので、中段まで降りてきて撮影するのが私の千枚田撮影法です。


☆挨拶:村田 富士夫

このほどキゴ山にて河合さんの後任でお世話になることになりました。天文の知識は全くありませんので皆さんから教わって勉強していきたいと思いますので宜しくご指導のほどお願いいたします。

☆グリーンフラッシュと星野写真:米林

しばらく撮影を控えていましたが季節も良くなってきましたので、久しぶりにグリーンフラッシュと桜のある星野写真(星景写真)撮影に出かけました。相変わらず春のグリーンフラッシュは水蒸気やPM2.5等で写りが悪くすっきりとした緑は出ません。やはり秋の透明度の良い頃まで待ったほうがまで待った方が良いみたいです。

GW中キゴ山付近の桜は満開に近く桜のある星野写真(星景写真)撮影には良かったのですが、月明かりの無い時に、星は点像で写したい、桜のピンクは鮮やかに写したい、桜以外の木々の新緑は近くから遠くまでムラなく写したい、などの希望を言い出せば、気軽にカメラと三脚だけの装備では到底無理。照明をどうするかを熟考しないと思ったような作品にならないので改めて撮影の難しさを思い知らされました。
でもやってみると意外に楽しかったので今後ハマるかもしれません。

☆月面「X」・「春の天の川」の撮影:河合

5月連休の2日(火)
 午後10時頃、キゴ山の展望駐車場に行きサソリ座全体が見えてくる夜中1時頃に、天の川を撮影しました。土星も明るく輝いています。この夜は良く晴れて撮影日和でしたが、天の川は薄っすらとしか見えませんでした。キゴ山の夜空も光害の影響で明るくなってきています。夏の大三角も全体が昇ってきたので撮影しました。

5月3日(水)
 月が上弦で午後7時30分ころ、月面「X」が見られると言うので、あいにく曇空でしたが、夕方になると雲の切れまがでて薄雲になり、月も明るく輝き出したので、すぐに望遠鏡をセットました。7時頃には薄雲も切れ始め8時頃には西の空から晴れて来て快晴になり月面「X」と同時に見られる月面「V」も撮影しました。
次回月面「X」が見られる日は、上弦の7月1日(土)午後6時30分頃です。日没は7時過ぎなのでまだ空は明るいですね。


☆撮影成果:中嶋

5/7-5/8(日-月) ポリマ食
 動画で撮りました。二重星の食なので潜入の時は明るさの変化が見られました。 出現では月と二重星との角度で明るさの変化は認められませんでした。

5/4(木) 天宮1号の軌跡
 中国の宇宙ステーション「天宮1号」は軌道高度がどんどん下がっていて、今年中に墜落するだろうと言われています。この日は明るさが1等くらいという予報がありましたので、写しました。

5/1(月) ISS太陽面通過
 岩瀬さんと同じ場所で写しましたが、ピントが外れてしまい、失敗でした。

5/1-2(月-火) 白峰で撮影
 積雪のため行けなかった場所にやっと行けるようになりました。

☆春の天体観望会:中嶋

今月27日にカメリアでの春の観望会です。メーリングリストで松田さんから案内がありましたが、参加されるかたは表明して下さい。

☆ボランティア活動保険に加入します:中嶋

本年度も観望会などの活動があります。今年もボランティア活動保険の申し込みをします。26名の予定で,加藤さんも加えましたのでいっそう活動に参加してください。と言っても手伝いは自主参加です。

☆金曜日は星の日:中嶋

キゴ山の「金曜日は星見の日」が5/12から始まりましたが、初日は晴れ間がなく、早めに解散しました。お手伝いに大いに参加下さい。

☆大人の宇宙塾:中嶋

5/26から大人の宇宙塾が始まります。初回は岡本さんの講師で始まります。
もう一回、越野さんの講師が決まっていますが他の方で引き受けていただける方が居られましたら名乗りをあげてください。

おまけ

映画『ゼロ・グラビティ』(Watch Gravity 2013)をご存じですか?スペース・デブリが及ぼす障害を題材にしたものです。的確な判断と予測、そして望みを最後まで持つ忍耐と究極の判断を示す映画です。その中で、地球と交信する場面があるのですが、情況が判らず意味を受け取れないところがあります。その部分だけの短編映画『Aningaaq』があります。これを見てから本編を見るとより理解できます。実際に落下寸前である中国の宇宙ステーション「天宮1号」は映画では既に落下してます。

もう一つの紹介映画は、有名な『ニュー・シネマ・パラダイス』(伊: Nuovo Cinema Paradiso 1988)です。天文とは全く関係がありませんが、エンニオ・モリコーネの作曲音楽が印象的で、映画解説ではトトにアルフレードの約束が果たされ過去を懐かしんで泣くシーンでおわります。最近になってダウンロードした映画を二回見終わって初めてこの映画に隠されたもう一つの人生がわかりました。作者の意図は『ゼロ・グラビティ』の短編『Aningaaq』をわざわざ作ったは何故なのかと同じに感じました。


【次回の例会】

6月 11日(日)13時〜
  銀河の里キゴ山ふれあい研修センター 天文学習棟にて

 


 

2017.5.17


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