2018年 5月 定例会 報告 |
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日 時 :2018年5月 13日(日) 【例会内容】☆レーザーポインターについての取り決め:長前回の例会において、『今後はキゴ山における観望会等ではレーザーポインターの使用を禁止とする』由のキゴ山ふれあい研修センターからの申し入れについて、改めてセンターに確認したところ一部職員の勇み足であることが解りました。 その際の話し合いにおいて、レーザー光は危険なものでもあることから、今後の観望会におけるレーザポインター使用については “取決め書を作成し” ”その取り決めを厳重に守る”ことで合意しました。 ☆LEDライトによるポインター実験:長 レーザー光は危険なものですから、今後の事を考えて、レーザーポインターに換わる道具の開発を検討しています。 条件としては ”安全で 機能を果たし 安い物” であることです。 一般に手に入り易い物では100均で売られているズーム式の懐中電灯が有効です。 指示している周りに数名ていどなら何とか役立ちますが、三名を超えると光線が判らなくなるのが現状です。使用されているLEDは1Wの様です。 それを改造することもやってみましたが、集光能力を上げると輝度が下がる問題が起こりました。また使用するレンズも高級品になり費用が高くつくことになります。市販されている中でもワット数が大きく高輝度のものがありますが、重量も長さもあり数万もしますので現実的でありません。その中でWsky LED 懐中電灯1600ルーメン(数値は怪しいです)強力超高輝度ハンディライト・ズーム式と言うものを見つけました。価格が1,080円と求め安いので試に購入しました。 そのままの使用でもスポットはそこそこ小さく明るいものですが3m離れたところで38cmの正方形です。LEDが角型なので仕方ないことです。ですから野外で使用すると太い光束になります。 購入した物は単4電池3本使用になっていますが、別にリチウムイオン18650が使える絶縁チューブが付いていましたので、18650を早速購入してみましたところ満足できる輝度になりました。 平凹レンズで光束を5cmまで絞ることが出来ましたが輝度は下がりました。詳しく調べてみるとレンズに入る光路面積とレンズ収差の問題でした。そこで3cmファインダーを懐中電灯のレンズをそのままにして掲げるとうまく光束が細く輝度も高い状態になっています。いかんせん白色の光束ですので、やはり空中での拡散光があり目障りです。 現在はドーナツ型の緑色フィルターを実験しています。中央の光束が白色で輝度を保ち周囲の光束が緑色なので見易くなります。もし、ドーナツ型でないフィルターをつけるとシャープカットになり500nmより短い波長の光が全て切り捨てられ輝度が低くなるのです。 尚、ファインダーレンズの口径が大きいほど輝度は高くなりますが、その分の光束は広くなります。手ごろなものは3cmですね。(※鏡筒内面塗装は剥がしておいます。) ☆太陽観察会:長 ひょんなことから急遽お手伝いすることになったイベントです。事の始まりはJAXAの大場崇義さんの太陽講演が開催されるのに合わせて出席者に対して、太陽観察会を開催するのにキゴ山ドーム内のラントンは太陽望遠鏡と呼べるのかとの問い合わせでした。Hα太陽観察専用の物ですから呼んでかまわないですと答えると投影方法について尋ねられ、使用アイピースなどの説明をしましたが、結局のところ協力して欲しいとのことでとにかくキゴ山へ条件を聴きに参りました。 開催間近なのに参加人数を限り、これから募集すると言う(マジカ?)の状況でした。ちょうどキゴ山全体の山開きにもあたる日で「わんぱく広場」メイン会場を通過して天文学習棟に行くことになります。 館の考えでは、ドーム内のラントンにカメラを取付け、モニターで見せるのがメインで観察デッキでは投影と直視にすると言うことでした。明るい中でモニターを見せるのは無理があるのでカバーを付ける様に説明し、万一無黒点だったときは不通投影では何も説明できないと言いました。しかたなく自前のHαフィルターを持っていく約束をしました。(※ドーム内にHαフィルターを見つけるがそれは別の機会に) さて、それからが大変で、間近な開催の中、募集では人が集まらないだろうと星の会に参加枠を設けてジタバタした次第です。 当日には12cmF8.3にテレセントリック1.5倍に自作ハーシェルを取付けHαフィルターをEr.32mmで覗くシステムと6.5cmF7.7にバーダー眼視フィルターとND8ニュートラルデンシティフィルターを取付け白い太陽像を見られるシステムを持参しました。 幸いにも微小ですが一群4個の黒点と4ヶ所の静穏なプロミネンス、小さいですがフレアとプラージュが見られました。ドーム内では高コントラストに調整してモニターにプロミネンスを映し出し解説しました。 ☆ArduinoでGOTO:Dr.加藤 今まで自動導入装置をいくつか作ってきましたが、そろそろ新しいものを作らないといけない時期に来ています。 というのは、3世代目のGOTOcontrollerも設計が古くなってきたからです。(3世代目はキゴ山の35cmSCTで現在稼働中です)それに、簡単に作れるように部品点数を減らして半田付けの箇所も減らさなくてはいけません。 それで、Arduinoを使ってみることにしました。使うのはArduino MEGA 2560です。メモリーもたくさん装備されているからです。 実際に回路を組んで動かしてみるとうまく行きませんでした。200倍速程度で応答がなくなります。処理能力が明らかに低いためです。 それで、Arduino DUEに変えてみました。さすがにDUEは処理能力が高く、問題なく動作しています。実証試験もパスしました。 そして、これはArduinoではありませんが、ESP32Devkit-2というモジュールが発売されていることがわかりました。これはDUEよりも数倍以上処理能力の高いものです。 ESP32を使って自動導入装置を作ってみました。まだ実証試験はしていませんが、ドーム内では赤道儀は問題なく動作しています。部品点数も少なくなり、製作も楽になりました。それに部品の調達も簡単になりました。 これからはESP32のGOTO controllerを使っていきたいと考えています。古い赤道儀もこれで蘇ります。VixenSP、SP-DX、Pentax MS-5、ME-55z、それに自作のスプリットリング赤道儀もすべて動作しています。 ☆惑星の撮影:岩瀬 4/20と5/11に木星/火星/土星を撮影しました。シーイングは最高ではないが、良いほうでした。 3/24撮影の3日分を比べると、3惑星とも段々と大きくなっていることが確認できました。特に火星は7/31の大接近に向けてどんどん大きくなっています。 ☆能登沖火球2体:山川 4月27,28日に能登沖に発生した火球を続けて捉えました。 各地のデータから軌道が求められましたが、特に4月27日のものは速度が13.0km/secと遅く、消失高度も19.8kmと低く特徴的なものでした。 おそらく隕石となっています。海ぽちゃでなければ探しにでたいケースでした。 ☆昨シーズンの自己満足ベスト20:越野 昨シーズンに撮った天体写真のベスト20を自分なりに選んでみました。 ベスト11〜20では、NGC2244(バラ星雲)、M42(オリオン大星雲)、M45(すばる)などを選びました。 特に驚いたのはキゴ山でもそこそこに天の川が撮れるということです。 M42は露光時間が(5秒程度の)短い画像も多くコンポジットすればトラペジゥムが良く出てくるということなので、ぜひ今冬にリトライしたいと思います。 ベスト10では、さらにM8(干潟星雲)、馬頭星雲、M31(アンドロメダ銀河)が”ベスト3”だったと評価しました。…(素人の)知人に見せると驚いており、ちょっと”鼻高”でした… このように発表できるようになったのも、ひとえに会員の皆さんのご指導と”○○沼”に誘ってくれたお陰かと感謝(?)しています。 ちなみに、今年の目標は岩瀬さんに次いでメシエ天体の踏破です。が、果たして… ☆今年に入ってからの星景写真をズラ〜と一覧!:立岩 2/23 22:20 医王山 …上弦の月で月明りが強かったので雪を被った杉林と北天の日周運動を撮りました。 3/10 21:03 千枚田日周運動 …明るいイルミネーションと星空を同時に表現するのは難しいと実感しました。 3/10 22:22 椿展望台 …夜空の状態はかなり良かった。冬の星座オリオン座と淡い天の川を撮りました。 3/10 22:26 椿展望台 …椿の花はまだ咲いていなかったので次回にリベンジです。 3/11 04:08 ボラ待ち櫓 …月とボラ待ち櫓の構図でしたが方位が南なので次回は月明りがない日で天の川を狙います。 3/11 06:14 ボラ待ち櫓 …本日の目的だった綺麗な日の出を撮ることができました。 3/17 20:56 椿展望台 …昨年からの宿題だった椿の花と星空を撮れました。椿の花は想像していたより小ぶりでした。 3/17 21:50 椿展望台 …黄砂の影響で星が滲んでいました。冬のダイヤモンドを狙いましたがカペラが抜けてました。 3/18 00:44 柳田満天星 …天の川が昇るまでの一仕事で1時間ほど天文ドームと日周運動を撮りました。 3/18 03:55 真脇遺跡 …環状木柱遺跡で夏の大三角形を中央に天の川を撮影しました。移動中ピントリングがズレてピンボケでした。 3/25 02:06 真脇遺跡 …前回撮影の1週間後にリベンジ撮影に来ましたがPM2.5か黄砂のせいで天の川が見えずリベンジならず。 3/25 04:32 ボラ待ち櫓 …真脇遺跡から急いで穴水へ。何とか撮影できるレベルで天の川が見えたが既に薄明が始まっていました。 4/21 20:17 輪島水芭蕉 …輪島市下黒川地区の水芭蕉群を月明りを利用し北天の日周運動を撮影しました。水芭蕉は意外と小ぶりでした。 4/22 01:19 珠洲市大谷風力発電 …夏の大三角形を中心に風車と天の川を撮りました。プロペラが回って構図的には今一でした。 4/22 01:30 珠洲市大谷風力発電 …街明かりは強かったですが天の川は綺麗に見えました。 4/22 03:06 真脇遺跡 …今年3度目の真脇遺跡に挑戦でした。3度目にして綺麗な天の川と環状木柱遺跡の星景写真が撮れました。 5/12 01:35 医王山 …構図的に天の川が丁度良い位置に来るまで待ちました。田んぼに水が張られ季節限定のリフレクション撮影です。 ☆1ヶ月の出来事(4/8-5/12):中嶋 ・白峰の方が残雪で行けなかったので4/18(水)-19、4/19(木)-20、4/21(土)-22と下吉谷で撮影してきました。 駐車場なので広いのですが、幹線道路に近いので時々車が通ります。 ・4/29(日)12:52:55にISSが太陽面を通過するのが福井で見られるというので遠征して来ました。 新田さん、日尾さんとで越前陶芸公園で落ち合って近くの空き地で撮影しました。 今回は30fpsのムービーで撮影しましたが、16コマ写っていました。予報線上で構えましたが、太陽の中心は通りませんでしたので、賭けの要素もあって面白いイベントです。 ・5/10(木)-11(金) 白峰に初遠征してきました。撮影した画像はこれから処理しますが、着いた頃は全然晴れていなくて23時頃から晴れました。霜が降りて凍ってましたので氷点下になったと思われます。 ☆Clubisim取材:中嶋 月刊誌「Clubisim」から「宇宙と星を見よう!」という記事企画で昨日のキゴ山「星見の日」に取材がありました。掲載は7月号(6/20発売)とのことです。 ☆自己紹介:柳原 昨年、定年退職し金沢に参りまして、金沢に天文同好会みたいな会はないかなと探しておりました。最近星の会を知り参加いたしました。 富山県に引っ越す予定ですが県境の小矢部市なので例会等にも参加できると思います。 宇宙に興味がありますが、宇宙に関する新聞記事等を読む程度で完全にアマチュアです。 【これからの予定】 ★満天星合宿 ・5月19日(土) コテージ2棟を借りています。 富山県天からも2名参加予定で現在15名です。 ★カメリア春の観望会 ・5月26日(土) 19:30開始 ★次回の例会 6月 10日 13時〜
2018.5.16
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