2018年 10月 定例会 報告

  

 

 日 時 :2018年10月 14日(日)
 会 場 :銀河の里キゴ山ふれあい研修センター天文学習棟宇宙科学工房(レクチャールーム)
 出席者 :  13名

久しぶりに良い天気です。キゴ山も秋を感じるようになりました。

【例会内容】

☆Tリング付きマウントアダプタ 2インチ:長

昔にはよく売っていた安価な2インチ直焦点アダプターですが、このところすっかり見なくなりました。日本メーカー品ではかなり高級な物がありますが、とても買いたい価格ではありません。
Amazonで以前にも探したのですが、見つかりませんでした。ところが最近にAmazonで驚きの低価格でアダプター類が登場していたのです。直焦点アダプターだけなら590円でキャノンTリング付きで1760円です。
おもわず衝動買いしました。Amazonでは、「perfk 天体望遠鏡 アダプタ」 で検索すると色々でますが、「perfk 天体望遠鏡」で検索すると安価な望遠鏡はもちろんですが、わんさかと備品が出てきます。
その中にキャノンTリング単体が660円?えええ?セットでなくバラで買うと2インチ直焦点アダプターが1250円ってことになるようです。理屈がわからん、、、で、その後、いろいろ見ているとちょっと勇気が必要なUSB電子アイピースもあります。
https://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Daps&field-keywords=perfk+%E5%A4%A9%E4%BD%93%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1%E3%80%80%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%97%E3%82%BF+&rh=i%3Aaps%2Ck%3Aperfk+%E5%A4%A9%E4%BD%93%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1%E3%80%80%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%97%E3%82%BF+

☆FC-100フード修正:長

城北児童会館からのFC-100鏡筒フードは、おそらく横倒しになったときに突起物に当たったと思われる凹みがありました。
レンズ洗浄のために河合さんと山川さんが取り外したのですが、再びはまることが出来ない状況になっていました。
ダメ元で持ち帰りノギスで周囲を計測すると全周の円平均値から3.2mm、最低値から6.3mmの突起になっていました。
内面より突起部分を丸型ハンマーで叩き、圧力変形を修正しました。全周平均は0.2mmに収めました。
内面につや消し処理して完成!昨日の星見の日に取り付けました。

☆EM-1赤緯タンジェントスクリュウーの修理と調整:長・河合

星見の日に河合さんより赤緯微動がかみついて動かないと言うのとで持ち帰りました。

現象は、ムービングピースが端に寄って固着している状態でハンドルも滑って空回りする。
ハンドルを取り外し、工具により回転を試みるもピースとネジの位置が固着して動かない。
原因は、タンジェントスクリュウーを知らない者が力任せに回しストップ位置でプラ・ワッシャー(ジュラコン)がピースに潜り込んでしまい、長年の放置でグリスが固着した。

処置は、まずロックネジを取り去り、両端から浸透オイルを注ししばらく放置する。その後、3mm厚ゴム板を軸に巻くようにして、プライヤーで一気に廻しプラ・ワッシャーを剥離する。
そこへ再度透オイルを注し、しばらく放置する。ゆるみが出たところで、パーツクリーナーを注ぎ油分を流し出し軸ネジを外す。
すべてを分解したところで、小皿にパーツを入れパーツクリーナーで洗浄する。クリーナー液を吹き飛ばした後にオイルに漬け組み立てに入る。
各プラ・ワッシャーにホワイトグリスを塗りながら軸受けやスクリュウーにグリスを加えながら組み立て終了。
ロックネジを取り付け、最終はピースのバックラッシュ調整ネジにて調整し完成。
尚、ハンドルにはネジボンドを使いました。多少は空回りを防止できると思いますが、強い力を加えると再び緩むと思います。

☆城北児童会館EM-1の台座の加工:長・河合

EM-1は、ピラー仕様でキゴ山にある三脚に取り付けるには、方位修正のピン位置を外側に変更せねばなりません。ところが三脚台座の裏を見ると既存のところだけ厚く作ってありその他は薄い状態だったのです。
薄いところにネジ穴を切ると台座そのものが破損するおそれがあり、ピラー台座を切削して取り付けることになりました。
一見すると簡単そうに見えますが、実は大変面倒で難しい加工です。
なにせそのままでは旋盤チャックで掴めません。固定冶具を作り、それから超硬歯(先端Rは極小)でチマチマ切削です。旧型タカハシの鋳物は鋳物砂が混入していて歯が噛んだ瞬間に爆発するように破損するからです。
少々恐怖を抱きながら外周の切削と面切削を1時間30分ほど行いました。
底面を切削したのは、タカハシの三脚は台座より少し飛び出るからです。

☆ボイジャー2号も太陽系を脱出へ:長

1977年に打ち上げられた探査船「ボイジャー1号」は2004年に末端衝撃波面を通過し、2007年8月には60km/sだったところ1年ごとに20km/sずつ遅くなり、6月にはゼロになりました4ヶ月間の測定値が安定した状態でした。
2012年8月25日ごろに太陽圏(heliosphere)を脱出し2013年に星間空間に入ったと確認されました。
今回ボイジャー2号も同じような状態になり太陽系の外からの宇宙線量が増加しているのです。
8月の初めと終わりでは宇宙線量が5%上昇を示しこのまま進めばへリオシースを突破しへリオポーズに向かうことになりそうです。
但し、1号と2号では進む方向が異なりますので、突破期間が同じになるとは言えず、慎重に計測を続けると発表されました。

☆宇宙の隠れていた物質発見:長

8日に発信された情報では、何十年もの間、宇宙の原子物質のなかには、どこに隠れているのか突き止められないものがあった。これらの物質について、最近発表された論文が明らかにしています。
https://wired.jp/2018/10/07/found-the-universes-missing-matter/


☆秋のメシエ天体撮影が終了しました:越野

9月〜10月上旬にかけての秋雨の間をぬってわんぱく広場へ出かけました。10月8日には久しぶりに「わんぱく4人組」が揃い、楽しく撮影しました。
今回の目標は、撮り残されていたM52、M72、M73で、これで秋のメシエ天体が揃いました。
このほか余裕があったのでNGCもいくつか撮りました。
特に今回の成果としては、NGC281(パックン?星雲)、NGC891(渦巻銀河)、NGC7129(散光星雲)、NGC7635(バブル星雲)で、それぞれの”ユニーク”さが表現されていて大変満足しています。
いよいよ残りのメシエ天体は5個(春と夏)となりました。
…来シーズンには完遂できそう?


☆ジャコビニ彗星:日尾

9/16早朝 明け方に猫に起こされて家の前で 21P Giacobini-Zinner彗星を撮りました。
寝ぼけてたのでピントが悪いですが雨上がりで空気が澄んでたのか星がたくさん写ってます。
M35の近くを通ったところでした。
https://photos.app.goo.gl/kuvbxr94UiBfJn2KA

☆白馬美術館で大西浩次さんの写真展を見てきました:日尾

中川さんと現地集合して五竜とおみのゴンドラに乗り高山植物園も見ました。
ギャラリートークと講演のお話では空は青系が好みだとか。
夜は出来るだけライト付けずに暗順応に徹してるそうです。
↓中川さんのシータで遊んでました。
https://photos.app.goo.gl/VLzAZ5BLv3GX3jV66
写真展の様子↓(パノラマ)
https://photos.app.goo.gl/2eAuKXHgRMwWBPRm7
https://photos.app.goo.gl/kqgBPh5VXNvWbJqG7

☆乗鞍高原で素晴らしい星空!:日尾

(結露、ピンぼけ多数^^;)
https://photos.app.goo.gl/Xw1ZhvLpZq2assvw7
立岩さん、新出さん、中川さんと現地集合で行きました。
距離的には奥能登とそんなに変わらないと思います。

☆石原さんによる画像処理の動画を紹介:日尾

https://photos.app.goo.gl/SEcruT3yUzJcSiWk8
https://youtu.be/JDncJVJOln8
画像データの提供は桶作さんです。
D810Aて良いカメラですね?


☆10/28グレージング:山川

室石さんから案内のありました10/28(土)早朝のグレージングにてきれいに+1"〜-1"のあいだで野々市在住の方のお宅が直線にのることがわかりました。
各宅の月縁図を見たところ河合さん宅が理想的なポイントですね。
月齢のわりに恒星が暗いので難しいですが頑張ってはいかがでしょうか。

☆ジャコビニ流星群:山川

先に21P/Giacobini-Zinner彗星の姿を日尾さんが紹介されていましたがジャコビニ彗星が回帰した年には突発的に流星が降ることがあります。
『ジャコビニ流星群』、今は『10月りゅう座流星群』と呼ばれているものです。
大方の予想では今回はスカるというものですが、一部の研究者からは古いテイルに遭遇してそれなりの出現になるのではないかと予想されていました。
その結果です。日本では日中の時間となり観測できませんでしたが、ヨーロッパではふたこぶのピークを持つ大出現となりました。
最初のピークは10/8 22時頃(UTC)にZHR=100程度 次は23時頃(UTC)にZHR=160 (眼視観測)というものでした。
ビデオ観測でも精度のよいものが得られています。

http://meteor.kaicho.net/meteor2018.html
https://www.imo.net/2018-draconids-to-monitor/
https://www.imo.net/draconids-outburst-on-oct-8-9/

☆小牧隕石:山川

小牧市にて隕石落下(9/26 22時半頃)の報道がありました。
日本では2003年2月広島に落下したのを確認してから15年ぶりになります。
本州の多くは雨天であったため SonotaCoネットワークを含めこの隕石の観測、目撃情報は全くありません。唯一電波観測(HRO)のデータが残っているだけです。
例会では根上隕石(1995年)の収集に携わった方が何人かおり、当時の裏話など楽しくお聞きできました。

☆誉のどこ行く!所村天文台篇:山川

所村さんの天文台(というかドームと赤道儀の行方)に関して星見の日にお話しが出ていましたので、TV金沢で放映された映像を発掘してきました。2012年9月のものです。


☆この1ヶ月(9/9-10/13)の写真:中嶋

・9/22-23:下吉谷でジャコビニ彗星(21P)を撮影しました。
  バラ星雲の近くで見えるとのことなので撮影に出かけました。

・10/7-8:下吉谷でジャコビニ彗星(21P)などを撮影しました。
  かもめ星雲の近くに見えましたが、M50に被さっていて双眼鏡で見つけることはできませんでした。

・10/13:ISSが月の傍らを通るのを撮影
  翌夕はもっと近くを通るので予行演習として撮影しました。


☆秋合宿:中嶋

恒例の秋の合宿を提案しましたが、時期が遅いせいか、あまり賛同者はいないようでしたので決定しませんでした。

☆写真展について:中嶋

海みらい図書館で天体写真展をします。
期日は11/10(土)〜25(日)ですが、締め切り日は、10/21(日)です。


☆野々市市カメリア祭り中止:長

台風24号の接近でカメリア祭りの天体観望会は中止になりました。


★次回の例会

 11月 13日 13時〜
  金沢市キゴ山ふれあい研修センター・天文学習棟にて



 


 

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