2018年 12月 定例会 報告 |
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日 時 :2018年12月 9日(日) キゴ山は15cmの雪でした。 【例会内容】☆月面「K」発見記事掲載経緯の報告:中嶋「星ナビ」1月号に記事が載りましたが、その記事に使われなかった写真なども紹介しました。 ☆この1ヶ月(11/11-12/9)の活動:中嶋 ・天体写真撮影 11月の例会前夜に白峰で撮影した後、この一か月は撮影成果ゼロかと思いましたが、12/5(水)の晩、晴れ間がありそうだったので、明るくなっているというウィルタネン彗星を撮影に出かけ撮影してきました。 11月10-11日は昇るオリオン座、12月5-6日はウイルタネン彗星(46P)狙いです。 彗星はぼぉっとしてますが、明るく、双眼鏡ではよく分かりました。 ただ、望遠鏡のトラブルが見つかり修理に出すことになりました。 ☆金沢海みらい図書館写真展:中嶋 11/10(土)〜25(日)の期間、金沢海みらい図書館で行われた星空フェスティバルでの写真展が終了しました。 ☆46P/Wirtanen彗星:日尾 https://photos.app.goo.gl/K2HP3jPZydwQD6HJA 家の前の小学校の駐車場で撮りました。 街灯や小松方面の光害で露出はかけられませんが、明るく大きいので写ります。 双眼鏡でも探せますが、カメラを向けてシャッターを切れば写るので簡単に見つかります。 くじら座からエリダヌス座あたりを通っていた所です。 ☆勝山から小松へ抜けるR416が開通:日尾 勝山から小松へ抜けるR416が開通。 https://goo.gl/maps/T5gAqp44Hpn 冬季閉鎖される前に行ってみました。大日峠へ行くなら小松からより勝山からが道が新しく楽です。 カノープス見えるらしいです。 https://photos.app.goo.gl/Cn7NVGMofXRuUSgE9 月夜で雪面が明るかったですがししの頭とうみへびの頭 ☆火星画像のまとめ:岩瀬 今年の火星大接近の画像を1枚にまとめました。これで一旦区切りです。 全部で27枚、だんだん大きくなって小さくなる様子、いろいろな地表の模様、砂嵐が発生した時期、感慨深いです。 ☆ジャコビニ・チンナー彗星:岩瀬 9月頃、コーン星雲近辺を通過中を撮影。135mmでの優雅な姿と、400mmでの拡大した姿を撮影。 ☆プチ合宿:岩瀬 11月頭の連休に、白山麓へ撮影のため遠征し、冬の星雲たちを狙いました。 また、星の会メンバーが数名集結(1名関西より)し、プチ合宿模様となりました。 夜中のモグモグタイムでは、カップラーメンをすすりながら、星の話で盛り上がりました。 ☆IC1396/M45:石原(岩瀬代理) IC1396は、20cm反射で撮った2枚モザイクの作品です。M45は去年撮ったものを再処理しました。 分子雲を更に出しました。あぶり出しのコツはフラットをしっかり撮ることです。 フラットエイドプロってソフトも使ってみました。 ☆望遠鏡の製作講座:長 11月26日野々市市カメリアの放課後子供教室にて望遠鏡を作る講座を行いました。8年前にも行っていますが、既に小学校を卒業していますので、再度行ったわけです。コンセプトは身近な材料で作るです。しかし、100均の商品も様変わりして同じものが手に入らず材料を探すことから始まります。結局のところレンズだけはモノタロウで格安プラレンズ(φ55mm f.l.340mm A-55)を購入しましたが、あとはDIYショップと100均です。接眼レンズにするルーペを100均でそろえるのは大変で、野々市全店と近隣の店の商品を買い占めました。https://www.monotaro.com/p/6838/3017/?displayId=4 ☆便利ソフトと困惑:長 近年色々な画像関係のフリーソフトが増えています。赤道儀いらずの新星景写真に仕立て上げるSequatorなどは確かに綺麗にしてくれますが、結局は山など区切れがハッキリするところをマスク処理して天体部分をスタックして合成するような物で、学術価値はありません。問題は星そのものの位置はデジタルデータの合成で撮影枚数が増えればそれだけ位置情報の平均化され精度が上がると言う理屈を盾にしているところです。ところがそれを構図の問題で邪魔な星などを気の向くまま修正または排除するような写真家までが居ると言うことです。写真が綺麗なら何をしても良いのか? かなり高度な処理ができるPixInsightも流行しています。淡い部分の処理に優れていて、星雲団の微妙な調整を行うことが出来ますので、重宝するものです。近頃は処理ソフトも複数を使って行われ、炙り出して行くのが普通になりました。しかし、同じ処理を再現することも不可能ですから元画像を添えておかねば偽造を疑われても仕方ありません。つまり、処理前を提示して処理済みを公開するべきでしょう。先のSequatorも同じで完成品だけでは絵葉書程度の価値しか無いことになります。私なんかは、見たこともない物を作り上げることを日常に行っていますので、もはや写真は真実を語らないと考えています。特に強調処理を繰り返すとデジタルノイズがあたかも存在するように現れてきます。 さて、4〜50年ほど前に頑張っていた天文ファンの方々が定年に伴って再び天文の世界に戻ろうとされています。少しでも情報を得ておられたり関わりを持っておられた人は、少しの努力でなんとか話題に入れるのですが、ほとんどの方はそうではないのです。就職や仕事に頑張って定年後に使おうと大切に保管していた機材は既に往年の名器と言う位置づけで、使われない機器になっているのです。65mm〜200mmの望遠鏡は当時としては高級機だったのですが、今では普及品と同レベル扱いです。カメラのデジタル化はPCの発展とソフトの普及に伴っているので、現像にあたる画像処理を同時に認識せねばなりません。浦島効果を身をもって体験することになったわけです。ブランクを埋めるのは認識と理解に苦しまねばならないのです。多くの諸先輩がとん挫寸前になっているのが現状なのです。 ☆京都の花山(かざん)天文台:新田 10月15日(月)に京都の花山(かざん)天文台に招かれたので行ってきました。 望遠鏡の形や赤道儀の駆動方式が面白かったので紹介します。 花山天文台は、正式には 『京都大学大学院理学研究科附属花山天文台』 と言うそうです。 敷地内には 『太陽館』と、当時は時刻を正確に測るための子午儀館として使われていた 『歴史館』、45センチ屈折望遠鏡が設置されている 『本館』など複数の施設がりありました。 今回は本館にある45センチの望遠鏡を覗いてきました。 この望遠鏡は建設当初は口径30センチの屈折望遠鏡でしたが、1969年に口径45センチの屈折望遠鏡に換装されたそうです。 45センチの望遠鏡は、焦点距離が675センチもあり、鏡筒が長くなると架台とのバランスが悪くなることから、反射板を二枚使って光を折り返すことで鏡筒の長さを短くする構造となっています。 https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/general/facilities/45cm/45cm_kouro.gif また、日周追尾は、電気仕掛けではなく、機械仕掛けの重力時計(重錘式運転時計:分銅ガバナー)にて、正確に追尾を行うようにできています。 https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/general/facilities/45cm/clock.html 最後に、京都大学は今年、光学式としてはアジア最大の3.8メートルの主鏡をもつ「せいめい望遠鏡」を岡山天文台に設置しました。このこと自体は嬉しい話しですが、これにより花山天文台の維持運用費が岡山天文台に移り、花山天文台の運営に支障が生じています。 これからの花山天文台の維持運用のため、是非ともみなさんのご協力をお願いしますとの事でした。 ☆お泊り企画報告:干場 11月2日〜3日に行われた キゴ山での「お泊りスターウオッチング」にて 希望者を対象にプラネタリウムの星空を背景とした家族ごとの記念写真撮影を担当しました。 星の会の皆様から教えていただいたことをもとに以下の方法で撮影しました。 ・カメラ :キゴ山ふれあい研修センター所有の Canon EOSKiss X8 ・レンズ :18〜55mmズームレンズ ・感度 :最高感度(ISO12800) ・絞り :F16 (これだけ絞ると 背景の星と人物の両方にピントが合う) ・露出時間:30秒 (タイマーリモートコントローラーがないため最大の露出時間は30秒) ・露光の途中で人物に向けストロボを上方から発光(ドームスクリーンを避ける) 以上です。所員なら誰でも撮影可能となる方法を意識しました。 ☆新年会の予定:中嶋 恒例の新年会は1月19日(土)夜に金沢駅近辺で行う予定です。 ★次回の例会(総会) 1月 13日 13時〜
2018.12.17
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