2016年 3月例会報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2016年3月13日(日)
 会 場 :いしかわ子ども交流センター
 出席者 : 14名

【例会内容】

☆2016年皆既日食:長

ぞくぞくと現地の情報が入ってきています。大方の現地は、雲の影響を受けて残念な結果になっています。特に東海大学の船上観測隊は、まったくダメだったようでライブ放送も酷いものでした。その中での快晴に恵まれたところも僅かにあり、現在の太陽活動を顕著にあらわすコロナが捉えられています。ローテーション処理を行うと綺麗なストリーマーが見られます。日食研究会の大越さんは、薄雲の中でフラッシュスペクトルを撮影されました。まったくノーマークだったのですが、皆既帯の最後近くであるハワイの北東を飛行するアラスカ航空では、綺麗な本影推とコロナが見られました。この時刻では窓の正面に見られたのです。一番格安なプランだったようです。

☆バーダーフィルターの平面化:長

今から40年ほど前に3M社がSunControlFilmと名付けて開発した蒸着フィルム。太陽光をND減光するもので、現在はバーダー社がAstroSolarSafetyFilterとして販売しています。説明書には、しっかり伸ばすよりしわがある状態で使った方が良いとされています。これは厚さ0.012mmの真っ直ぐにするのが難しくクレームが入る対策なのです。実際に実験された結果では、やはり真っ直ぐに伸ばした方が良い結果になっています。もともと金属フィルターを持っていましたが青板ガラスにステンレス蒸着でしたので、映像はオレンジ色で拡大すると黒点がぼやける状態でした。とても使い物になりません。そこで、以前に故安永さんより手に入れたt0.5ガラスを円形に切断して貼り付けてみました。もちろん部分日食にあわせて行ったのですが、曇天で日食は見れませんでした。接着方法は、バインダーに液体洗濯糊を使いました。99%が水で1%がポリ塩化ビニルだからです。密着の初期は平面ガラス板でサンドイッチして荷重をかけ、その後に密着圧縮機にて転圧しました。実測では未だ十分に密着していないので、今後再挑戦することになりますが、平坦に貼ることは出来ました。

☆地球にはどれくらいの水があるかご存知ですか?:長

ネット上に地球の水を一カ所に集めるとどのぐらいになるかをビジュアルに表現したものがありました。95パーセントは海水で、淡水は僅かしかなく飲料水になっているのはそのまた僅かな量しか無いのです。
http://spotlight-media.jp/article/247341382714941996
http://www.aquas5.jp/100/post.php
http://www.suntory.co.jp/eco/teigen/knowledge/01/
http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2013/03/post-308.html
http://www.sekisuiheim.com/spcontent/lifestylenavi/column138/

☆Karl BattamsさんによるComet Catalina:長

YouTubeには無い動画で、素晴らしい物がありました。移動が速いのですが鮮明に尾の変化が捉えられています。

☆IC434暗黒馬頭星雲を撮影してみました:加藤

新しく買ったSONY a7sを使っての撮影です。さすがに高価なカメラなので自分で改造はちょっと心配、というわけでIDASに赤外線改造(色補正とローパスフィルター除去)を頼んだわけです。IDASによりますと、改造後に動作せずマザーボード交換したとのことです。自分で改造しなくてよかったーと胸をなでおろしています。
a7sはご存知の通り、画素数を抑えて高感度を狙ったミラーレス一眼です。最高感度409600までいけますが、さすがにノイズが多いので今回は16000で撮影してみました。いつもはEOS KissX2の赤外線改造機でISO1600で撮影しています。先月撮影した馬頭星雲は露出が300秒でした。今回のa7sでは感度10倍ですので30秒露出で試し撮りしてみましたが飽和してしまったため20秒露出としました。22枚撮影してステライメージ7.1dで処理してあります。少しノイズが残っているのとコントラストがあまり出ませんでしたが、何とか見るに堪える程度の写真が撮影できました。
EOS KissX2で300秒露出22枚だと110分かかります。インターバルを入れると2時間半くらいでしょうか。a7sだと20秒露出22枚で440秒、8分弱です。インターバルを入れても20分もあれば撮影可能です。ちょっとした晴れ間でも歩留まり良く撮影できるかもしれません。今までは5分露出すると、その間に雲が通過して失敗!なんてことがよくありましたから。
もう少し感度をあげて撮影すればどうなるのか?いろいろ試してみたいと考えています。フィルムカメラの時代とは隔世の感があり、いい時代になったものです。

☆電動フォーカサーの不具合について:越野

2月例会において、「電動フォーカサーのモーターの動作が不調です。」と話したところ、会員の方から「コントローラの駆動速度調整器に問題があるのではないか?」とのアドバイスがありました。調べてみました結果、やはり駆動速度調整器(可変抵抗器)に不具合(接触不良)があることがわかり、取替によりスムーズに動作するようになりました。

☆馬頭星雲等の撮影に挑戦:越野

電動フォーカサーの修理結果の確認とシーズンに向けてのウォーミングアップがてらに 近場(松任グリーンパーク)で馬頭星雲&バラ星雲の撮影に挑戦しました。3分露出で10枚ずつ撮ったのですが、約半数に「ミラーケラレ」が発生しておりガッカリしました。しかし、そのままコンポジットしたところ「ケラレ」がなくなっていました。…オドロキ!!(多分、「加算平均」した際に”結果として”修正された(見えにくくなった?)のではないかと思いますが…)画像処理は便利ですが”奥”が深くて習熟が大変です。

☆カラーマッチングツール:中嶋

ディスプレイとプリンタで色が合わないということが出ましたが、ちょうどカラーマッチングをするための機材(キャリブレーター)を持っていましたので紹介しました。製品名はdatacolor社のSpyder5です。
http://www.datacolor.jp/products/monitorcalibration/spyder5pro.html
この製品にはEXPRESS, PRO, ELITEのグレードがありますが、測定器は同じものだと思われます。ディスプレイのキャリブレーションだけならばEXPRESSで大丈夫です。ただ、使用する処理ソフトもカラープロファイルの設定をしなければなりません。
例会では言いませんでしたが、各プリンタのメーカーもプリント方法の説明があります。
http://www.epson.jp/katsuyou/photo/manabu/colorio/theme4/
プリントアウトする時の設定をいろいろ変えて試してみてください。高価なキャリブレーターを使わなくても良い場合もあります。

☆CP+2016に行ってきました:米林

毎年恒例のCP+に行ってきました。行くのは10年ぶりです。オリンピックイヤーということで、開催前に各社新製品の発表が相次ぎ、来館者の関心も高かったようです。発表直後の最新機種が見れたり直に触れたり、地方ではなかなか目にしない天体望遠鏡やパーツ等が見れるのがいいですね。国立天文台も大型望遠鏡のデモで出展。ブースも小さく来館者も少ないですがなかなかのものでした。



☆キゴ山:河合

正式な事項でありませんでしたので本人からの希望もあり報告は次回に廻します。

☆春の合宿について:中嶋

とりあえず室石さんから一棟確保しましたと連絡がはいりました。5月3日(火)です。



★次回の例会

 4月10(日)13時〜
  キゴ山天体観察センター(3F宇宙科学工房(レクチャールーム))にて

 


 

2016.3.21


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