最近天文ガイドで話題に上っているビクセン製のスカイセンサー2000ですが、無謀にも自宅の高橋製のNJP

に付けてしまいました。

自慢話みたいで恐縮ですが、簡単にレポートしてみます。

熊本のプラネットタウンや誠報社等で他社製赤道儀の取り付けを紹介していますが、NJPようなモータ外付け

機器は結構簡単でした。でも、色々な問題が発生し、結果的には内部設定に若干苦しんだのも事実です。

まずはモーターの接続です。

皆さんご承知の様にNJPには外付けでモータを取り付けますが、赤緯、赤経ともに純正の取付金具を接続

するネジ穴が付いていますので、この穴を流用し、昔20cmの反射鏡筒を作成した時のLアングルを使って

取付金具を作成しました。

この金具とモータのケース部にそれぞれタップ加工をして赤道儀に取り付けます。

ちなみにモータケースにはビクセン赤道儀への取り付け用の出っ張りが有りますので、これを金ノコで切り落

としてあります。こうすると平面になり、先のLアングルの取り付け金具で固定できるわけです。

これより、今回の改造では赤道儀には一切加工しておらず、純正モータ取り付け用の金具をはずしたのみに

留まりました。

悩んだ第1歩(純正の歯車が使用できず)

NJPの微動シャフト軸が9mmでスカイセンサー用は6mmの為にまずここで一工夫必要です。また添付されている40の歯車ではモータケースの間隔をうまく調整できませんでした。

ここの部分が悩んだ第1歩です。

私は結局東急ハンズで50の平歯車を購入し、自宅のボール盤で9mmシャフト用の加工をしました。

(安いボール盤の為に厳密には歯車の中心への加工が不満足ですが、取りあえずは2枚の歯車が問題なく使用

できるレベルのものが出来ました。ちなみにモータ側は純正の40の平歯車を使用しています。

この作業時に秋葉原のスターベースでPD7用の純正ギア、クラッチ等一式購入(9800円)

しテストしましたが、結局ギア比が48で設定値が割り切れない結果となりましたので、上記の50の歯車を

使用しています。

悩んだ第2歩(結構参考書が無い)

天ガ等では色々ノウハウが書いてあります、また説明書も結構細かいレベルのことが書いてあります。

でも、結局設定に悩みました。

純正と異なり、モータの基本回転方向の変更、歯車比の異なり、ウォームギヤ歯数の異なり等の変更が必要

であり、雑誌やマニュアルを良く読みましたが、純正のディホルト設定の事ばかりでこの数字は何を意味してい

るか等の説明は有りません。(まあ、マニュアルに乗っていないのは当たり前です。私がしている事は立派な

品質保証外の改造行為ですから)でも、モータ回転方向の変更とウォームギヤ歯数は時間くらいマニュアル

を読んで実験すれば何とかなりましたが、最大の問題は歯車比の異なりです。

結局日ほど悩みました。

ギア比はスカイセンサーのマニュアルには赤緯+36×144、赤経+36×144の説明が有りますが肝心な

ギア比に関しての説明は一切有りません。

色々解析をした結果、このディホルト情報は以下の定義を示していました。

@ +について

   これはモータの回転方向を規程するものでGP赤道技に接続した場の写真がスカイセンサーの資料

   にありますが、この状態を示しています。つまりGPとは逆にモータを接続した場合には−となります。

   ちなみに私の場合に逆方向につけましたので − です。

A 36について

   これはモータに内蔵しているエンコーダのパルスを示しておりかつ、ギア比が隠れています。

   GP純正の場合の厳密な定義は以下となります。

   36×40/40 (分子の40はモータ側に付けたギア歯数で分母の40は赤道儀側のギア歯数です)

   ですから私のHJPの場合には36×50/40 = 36×1.25=45

   となります。

B 144について

   これはGP赤道儀のウォームギア比を示しています。

   私のNJPでは赤緯144 赤経240から先の設定値は以下となりました。

   赤緯−45×144、赤経−45×240

しかし、便利な機械ですね。星雲星団の位置を忘れてしまいそうです。

取りあえず、設置値が落ち着き3点アライメントでファーストランを実行しましたが、思った以上に導入精度は

良くC11の155倍の0.4度弱の視野に導入できます。

まあ厳密には視野の中心では有りませんが...。

今まではテレスコープトレーサを使用して見ていましたが、自動導入された物は、ここに星雲、星団が有るはず

だとの先入観で見る為に、八王子の明るい空でもじっと見ていると淡い星雲がやがて見えてきます。

ところで導入スピードは、私は500倍もしくは、300倍で使っています。

さすがに1200倍速では赤道儀への影響や安全を考えて使用しませんが、結構300倍くらいでも快適に動作

します。

誠報社のNJP向けのスカイセンサーは120倍にしているようですが、NJPNV対応をしていない我が家の架台

でも現状では問題は出ていませんので、根拠は良く分かりません。

でも、バランスはシビヤに影響しますので時間を掛けて調整する事を推奨します。

あとそれから、私のように他社赤道儀へ無理矢理取りつける場合には、箱に添付されているGP赤道儀の

取り付け状態を良く確認して下さい。スカイセンサーの初期設定は当たり前ですが全てこれ用の設定値です。

くどいですが、モータの取り付け向きを逆にした場合には、当然モータの基本回転方向を逆に設定する必要

があるなどです。

PS

最近の天文ガイドにはこのギヤ比の説明が結構詳しく書いてありますのでこちらもご参考にしてください。

 

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