第1期(97年6月)
自宅新築時に真剣にドームもしくはスライディングルーフを考えましたが、予算並びに再度の引越し時の
売却条件を考えしぶしぶ諦めました。
しかし、重い望遠鏡の設置、撤収が厄介で稼働率アップがはかれず、何とかしなければと考えていた時
に近所で重量鉄骨で車庫(テラス)を作ったのに影響されこのテラスに、鴨居型の望遠鏡用の独立ピラー
を組み込み、テラスに触れないようにしてその上に赤道儀(NJP)を設置する計画を立て実行しました。
鉄工所の親父さんは当方のいい加減な図面や無理難題にも対応してくれ感謝しています。
まず本来の車庫ですが、横幅2.5m×7.5mで、鉄骨の柱(15cm角)を6本建て、地面から2.5mの
所に鉄板をひきその上にコンクリートを約く20cmの厚さに流し込みました。(このコンクリートを引いた空
間をテラスとし、まわりを約1mの柵(フェンス)で囲み、鉄骨で作成した階段をかけ、星見用のテラスとして
います。)
さて、本来の目的である望遠鏡設置部ですが、車を止めるのに邪魔にならない場所に地中に
捨てコンクリートをガンガンつめ車庫と完全独立、分離した鴨居型のピラーを上げ、テラス上部を30cm程
開けた区間に望遠鏡接地用の厚さ20mm、直径1mの鉄板製のテーブルを固定しています。
肝心な望遠鏡は、このテーブルの上に高橋製のNJP(反射用純正ピラー仕様)赤道儀を固定し、C11
(28cmシュミットカセグレン)でお気楽観望をしています。いろいろな反省点もありますが、極軸がセット
された赤道儀が思いたったらすぐ使用できるメリットや、庭に比べ視界が広い点等良い点が勝っており、
作って本当に良かったと思っています。
反省点
・残念ながら振動有り
基礎を車庫とピラー部を独立して望遠鏡関連部分は他と接触しないようにし、特に鴨居ピラーは
地中150cm掘り下げたが、残念ながらテラスへの上り下りの階段の振動や、子供がテラスで跳
ねたりすると望遠鏡へ振動が伝わる。
これはH鋼を多用している為に振動を拾い鴨居ピラー部が共振してしまう為と思われる。
・ビニールカバーは望遠鏡がいたむ。また、結構面倒
この時点では格納小屋が無い為に、使用後にカバーを掛けるが、この時翌日が平日の場合には
夜露で器材がぬれている状態でカバーを掛ける事になるが、これを繰り返すと湿気が内部にこもり
サビとなる。(使用後に太陽で乾燥させた後にカバーを掛けられれば良いのですが...。)
また、カバーをかける作業も結構面倒である。
(影の声 モノグサ者。赤道儀をばらしての撤収に比べれば有り難いと思え)
第2期(96年12月)
第1期の反省並びに撤収作業の改善をはかり、格納庫を作成することを決意する。
スライディングルーフや昔天ガにあった鳥かごテントも考えたが、友人からトラックの防水幌を譲ってもらえた
のでイレクターで格納庫の骨組みを作り、支柱に車をつけ、小屋が移動するランオブシードタイプを作成する
事にした。
骨組みをイレクターで作成し、上部には防水幌をテントのようにかぶせ、下部については10mmコンパネ版
で囲んだ。 また、テント部の固定は、幌の固定用ゴムバンドを利用し、コンパネ版にU型フックを付け固定した。
良い点
トラックの幌(テント部)の良い点は四隅ファスナーがついている。この為に、格納庫を移動させなくても、
ファスナーを開閉すれば、外部からのメンテナンスや、鏡筒の外気温順応等が可能である。 しかし、
何といっても撤収が楽である。第1期時代はカバー掛け等に必要な時間が約10分必要であったが、第2期
には格納庫をスライドするだけの為に、固定作業等の時間も含め約3分となる。
反省点
・テントの大きさの関係で150cm四方で作成したが、広さがイマイチである。(現状の器材では問題ないが、
欲を言えばもう少し広いほうが良い。)
・テラスの上にレールを設置しなかった為に、台車とコンパネの隙間(約3cm)から雨が吹き込む。
まあこれは覚悟していた事であり、雨で濡れるのはNJPのピラー部先端の一部のみから、別途改修策
を考えることとした。
第3期(99年1月)
鴨居ピラー部の振動対策を実施する。たたくとキーンと鉄鋼が共振し、これが振動の最大の原因であり、
安易で効果的な方法を考えいろいろ思案したが、結局鴨居ピラーに砂を積める事にした。これは昔の雑誌
のコーナー(私の愛機)でピラーの中に振動防止に砂を積めたとの記事を思い出し、これなら費用的にも
作業も個人でできるであろうとの判断からである。
作業は砂を直接積めるのでは無く、湿気防止などを考慮し、厚手のビニール袋に砂を1kg程入れ、これを
徹底的に鴨居ピラーの空間部に積め込み最終的には使用した砂の量は20kgを9袋使用して合計180kg
にも及んだ。(蛇足ながらこの作業は、たいした事は無いと甘い考えでスタートしたが結局5時間の作業とな
り、私の右手は、3日ほど悲惨に状況になったのである)
しかし、苦労は報われた様で、砂180kgの効果は絶大で、鴨居ピラーをたたいた時の音が、キーンから
ゴンに変わり、かなりの共振対応がなされたようである。
(でも毎日寒いので実際の星像での確認はしていません。)
とりあえずここまでです。