2015年 4月例会報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2015年 4月 12日(日)
 会 場 :金沢市キゴ山天体観察センター
 参加者 :16名

 今回は、予想以上に盛りだくさんでした。

【例会内容】

☆皆既日食:長

2015.03.20に皆既日食が北大西洋にて見られました。日食研究会のメンバーが飛行機をチャーターして観察をおこないました。航空機は、数枚の分厚 いプラスティック窓ですので外表面にかなりの傷があります。撮影のコツは窓にカメラレンズを出来るだけ近づけ、望遠気味にすることです。また、窓に機内の 映り込みを防ぐために遮光の覆いをすることです。太陽にカメラを向けるので、窓の傷で散乱するところを避けることも重要になります。カメラを安定させるた めに大型の吸盤を使ってカメラを固定するのも良いのですが、機体は左右に揺れますので、スタビライザーを用いないときには、かえって不便にもなります。近 頃では、高性能のコンパクトデジタルカメラがありますので、数多く撮影する方が良い結果が得られます。写真に紹介したものは、広角で本影推を追った画像 で、飛行機が月の影の移動に沿って追いかけているのが判ります。音速に近い速度で追えばかなり長く皆既が見られるのです。また今回の日食は、地球の北部に 日の出直ぐの月の影が落ちるので、かなりの長楕円形になっています。飛行ルートによって機体を側面に向けながら色々な飛行コースが考えられました。ルフト ハンザ航空では、日食ツアー専用機が飛んでいます。


☆皆既月食:長

2015.04.04に皆既日食があり、キゴ山にお手伝いに行きました。到着すると既に双眼鏡が準備され何故かデッキの北に整列していました。これは月の 出を眺めるのにキゴ山のドームが邪魔していてるからだったのです。今回は通常の観測をあきらめてお手伝いに来ましたが、月の出を双眼鏡を使ってコリメート 撮影しました。来場者が皆既に近づくにつれて多くなり、その後は手持ちの250mmズームにて手持ち撮影を行いました。用事があり皆既時刻までにキゴ山を 下山しましたので、今回の画像は半影と本影の比較画像になりました。

☆皆既月食:河合、日尾

金沢市キゴ山天体観センターにて皆既月食観察会が開かれました。
エントランスにあるモニターでは ドームにある20cmクーデ式望遠鏡に同架した小型望遠鏡に取り付けたカメラからの映像を投影しました。また、4階のデッキでは双眼鏡を並べて実際に月が欠けていく様子を見て頂きました。
今回、皆既時間は20時54分からの約12分しかありませんので、並べてある双眼鏡の空いているところを見つけて覗いていただくよう気を遣いました。

この日、準備をしている日中は快晴に近い天候でしたが夕方に近づくにつれ雲が多くなり、月出の頃には東の空はすっかり雲に覆われてしまいました。 半影食の状態で月出となりましたが、その後も雲の合間から月が欠けていく様子を見ることができました。このような天候でいたので、皆既状態の月を見ること が出来るか不安でしたが、奇跡的に皆既中の月を見ることができました。
なんとか皆既月食を持参した300mmF4望遠レンズにて撮影(ISO800)できました。本影の画像には、昨年も話題になったターコイズ・フリンジ現象(ブルー・ベルト又はブルー・バンドとも言う)を捉えています。この現象については色 々なところで詳しく紹介されていますので詳しくは話しません。
皆既が終わったあとは雲に厚く覆われ、月が再び現れることも無く観察会は終了しまし た。

☆皆既月食:桶作

蓮湖渚公園のところで、ケンコーのレフレックスタイプの500mm F6.3望遠レンズを用いて撮影を試みました。露出時間は2秒位です。空の様子は皆さんのところと同じで、雲の合間 を縫っての撮影となりました。
今回は、500mm F6.3レフレックスレンズのテストを兼ねて行いました。そのため様々に条件をかえて撮影しています。
結局、このレンズはピントを旨く合わせればなんとか使えると言う 程度のものでした。それでもコンパクトなのに焦点距離を稼いでくれるというのは気に入りました。


☆中古赤道儀の修理の道のり:桶作

勝手にプロジェクト名を 『しらゆきひめとX人のこびとたち』と命名して行っています。
いきさつを話しだすと長くなりますがが、ことの始めは米林さんがユーシートレードに立ち寄った際に 「 使えない赤 道儀があるけどどうせ処分するから欲しかったら持っててもいいよ?」と店長から言われたことから始まります。
そのまま持ち帰って調べてみると、ミードのドイツ式赤道儀にモーターが付いているけれど コントローラーが無くなっているので使えない状態になっていました。
この赤道儀を整備して柳瀬さんに譲り渡すことになり、そのコントローラーを私が製作することになりました。
石原さんから極軸望遠鏡を提供していただきました。これはばっちり付きました。
新田さんからは望遠鏡を提供していただいたのでコントローラさえ出来れば望遠鏡一式が完成します。

さて、まず最初にモーターボックスを取り外しました。色々と苦労しましたが皆様からのアドバイスにより取り外すことが出来ました。
メインホイールの歯数を調べるのにハンドルを回して一周するまでを数えました。間違いが無いように何度か行いました。多少数え間違いで誤差はでましたが結論として144枚になりました。
次にモータに印加する電圧や制御信号を割り出します。ラベルに書かれた型番から情報を得ようとネットサーフィンしましたがヒットしません。特注品のようで す。それならばと型番からモータの製造元を推測しメーカに問い合わせてみましたが、提供先との守秘契約があるので教えられないと返ってきました。
その先は試行錯誤の世界です。マイコンで検査用のシステムをつくり、印加電圧なり、制御信号なりの組み合わせを試して割り出しました。
ようやくコントローラの製作にはいるわけですが、シンプルに恒星と月、星野追尾モードを実装することにしました。
恒星追尾に関しては、自転周期よりも大気差補正を入れたぶん若干遅くなるキングスレートを使用し、86200秒を用いています。そして、基板にパーツを配置し半田付け作業を行いコントローラを製作したところで実際に動かしてみました。が、なんとモー ター単体だけなら動きますが、赤道儀に組み付けると、赤経軸だけが回らないことが分かりました。トルクが足りないのかな?と思い電圧をあげてみましたが廻りません。電流計を挟み流れる電流を調べましたが十分な量が流れており、トルクは十分発生している筈です。
現状報告としてはここまで、今日は皆様にアドバイスをいただければとご相談にきました。

資料は星の会のアルバムに置いておきます。

※例会にてくだんの赤道儀を拝見したところ、モーターボックス内にスリップクラッチが入っている可能性があり、そのクラッチが滑っているのではないかと診断しました(長)。


☆アップルTVネットワーク:岡本

定年になってから iPadで楽々天文生活を送ろうと考えていました。

そのとき問題になるのは「昔の観察データをどうするか?」です。 また、観測中に色々な資料を調べるのも大変でした。望遠鏡を 覗くときの問題を大別してみると「バラバラの観測データ」「懐中電灯を使うわずらわしさ」「老眼の不便さ」のみっつです。しかし、iPadにデータを 集約するにしても そのままではデータの製作がいささか面倒です。何故かというとマウスが使えないので作業が繁雑になるのです。それではとMacPCで データを作成し、iPadとMacPCの両方でデータを互換利用することを思いつきました。データを互換管理 するにはクラウド化が良さそうです。いろいろ調べましたがクラウドのなかでは Dropboxが使い易いように思えました。

さっそくフォルダーを作成し、今までの データを取り込み始めました。データを取り込むのにスキャナーを使うのも時間が掛かり大変ですので iPadのスキャナー機能を使いました。
星図やデータ本など高価な本でしたけれど、バッサリ切断してスキャンし易いようにしました。本のまま持っていても面倒で使われないのなら、こ うした方が役に立ってくれます。
PDFだと何故かスワイプしてくれませんので、ファイルをPDFからJPGに変換します。表示も早くなりますのでJPEGに変換したほうが使い易いです。同じフォルダー内であればスワイプで移動できます。

これが自分にとって快適で使い易いデータ管理になっています。


☆新幹線の見える丘:河合  場所はここ

ニュースで話題になっている津幡の「新幹線の見える丘公園」に行ってきました。
シブヤ工業の正面対面、光興行の隣にあたる丘にある公園です。公園の駐車場には10台ほどしか停められません。少し離れますけれども公園から350mほど坂を登ったところに臨時駐車場がもうけられています。

駐車場からの階段を登り切り、アプローチをそのまま進むと例の展望台があります。
安全のためフェンスが作られており、そのフェンスの目の高さぐらいにある開口部から新幹線が見られるよう になっています。撮影は開口部より写すことが出来ます。
列車が通過する時刻一覧が掲示されています。
公園の整備からさして日にちが経っていませんので芝生の植え込 みが十分に育っておらず立ち入り禁止になっています。注意してください。今現在、フェンスの廻りだけが新幹線の通過を見られるところです。
多くの人は新幹線が通過するのを見たらすぐ帰ります。私は新幹線が案外続いてやってくるのが分かりましたのでついつい長く撮影してしいました。

☆M81.82:加藤

3月27日(金)に M81.82を撮影しました(20cmF4 5分×18枚)。
接眼部には、コマコレクターレンズ+フィルターホイール+オフアキシスガイダーを取り付けて います。
望遠鏡の斜鏡は7cmありますのでケラレはありません。
オフアキシスガイダーを加工しているのは見つからない恒星を入れるためのシフトです。
多くの方はど うしているのか知りませんが、抜き差しだけでは恒星が入らないことがあります。
目いっぱいプリズム部を入れてしまうとダメですから疑問です。これなら多く の恒星を捉えることが出来ます。


☆皆既月食、満天星、白峰の成果:岩瀬

ムービーにて一挙に紹介します。
白峰はまだ例のところまで行けません。クロスカントリー場の駐車場で撮影しました。


☆色々な撮影:柳瀬

昨年入会してから晴れていれば写真撮影に出掛けています。
なかなか皆さんのように撮れませんが、比較明合成にて日周運動の撮影にも試んでみました。
カメラは Canon EOS Kiss7i です。
満天星遠征に参加した時には、広角レンズをお借りして臨みました。
写真に写り込んでる人は、レンズに興味を持って覗き込みにきた石原さんで す。
日周運動は石川県森林公園(津幡町)で撮影したものです。車のヘッドライトが偶然影になっている木にあたり良い物になりました。

☆あれから色々と:樋口

白峰某所は暗くていいのですが、南天の勝山市からの光芒が気になります。
南天を撮影するにはどうしても別の所へ行かねばなりません。
そうなると南に街が無いところを見つ けるしかありません。
満天星も良いのですが、毎回出かけるわけにいきません。
そうなると富山の南砺方面を選ぶことになります。この辺りを今年も探していこうと 思っています。


☆本年度も宜しくお願いします:池端(キゴ山館長)

いつもお手伝いくださりありがとうございます。
本年度も皆さんのご協力のもとで、色々なイベントを行って行きたいと考えております。
よろしくお願いいたします。

☆満天星:中嶋

ムービーの紹介です
15mm相当 ISO1600にて撮影しました。
以前、米林さんがSiriusComp(比較明合成ソフト)ではうまく動画になら ないことがあると言っていましたので 今回は PhotoShop CCを使って作成してみました。
映像は満天星の夕日より夜明けです。霞があり、天の川が映っていないの が残念です。


☆今後の活動予定;中嶋

 ◆金沢市キゴ山天体観察センター協力事業

  金曜日は星見の日:毎週金曜日( 5月1日 〜 10月30日 )
  親子でスターウォッチング: 5月29日(金),10月2日(金)
  シニア宇宙塾:
  5月15日(金),6月19日(金),7月17日(金),8月21日(金),9月18日(金),10月16日(金)

 ◆野々市市情報交流館カメリア協力事業
  春の天体観望会: 5月30日(土) 19:30〜21:00

 ◆白山白川郷ホワイトロード
  三方岩御来光と星空観望会:7月26日(日)

 ◆金沢大学 天体観察講座
   4月23日(木),5月18日(月),6月9日(火),6月23日(火),7月16日(木)


☆会計:中嶋

今まで会計をやってくださっていた山川さんが辞任されましたので、新たに会計をやって下さる方を募集しました。
推薦多数により岡本さんが新会計となりました。

☆満天星合宿:中嶋

5月16,17日に行います。現在参加者を公募中です!!
参加申し込みは、MLもしくは中嶋まで連絡下さい。

☆写真募集:中嶋

キゴ山天体観察センターには、星の会のギャラリーがあります。
展示している写真も古くなって来ていますので、交換のために作品を募集しています。!!



★次回の例会  5月10日 13時より

キゴ山天体観察センター三階カルチャールームにて



 

2015. 4.19


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