2017年 9月 定例会 報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2017年9月 10日(日)
 会 場 :銀河の里キゴ山 ふれあい研修センター  天文学習棟 宇宙科学工房
 出席者 : 10名

6日に発生した太陽フレアによる電離ガスが地球に直撃するニュースがあり、8日のキゴ山星見の日に到達しました。低緯度オーロラが見られるかも知れないとの事で、全国で確認作業が行われました。可能性は数日続きます。
ヨーロッパやカナダ、アメリカ北部に影響がありましたが、重大な障害にはなりませんでした。軌道平面で見ると直撃ですが、側面で見ると少し外れていました。情報とシミュレーションは、次のところから見ます。
・NICT 宇宙天気予報センターツイート
https://twitter.com/NICT_SWC/status/906044859848450048
・SpaceWeatherLive.com
https://www.spaceweatherlive.com/en
・STEREO
https://stereo.gsfc.nasa.gov/
・SDO
https://sdo.gsfc.nasa.gov/
・SOHO
https://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html
・NOAA
http://www.swpc.noaa.gov/products/wsa-enlil-solar-wind-prediction



【例会内容】

☆太陽黒点撮影と大規模フレアの発生:河合

太陽の黒点が大きくなってきているというプログを見て 9月5日、天候が快晴なので朝8時前望遠鏡をセットし、8時10分頃から太陽黒点の撮影をしました。予想通り太陽表面の南西側に大きい黒点群が2つ有りました。ひさびさの大黒点でした。
次の6日18時頃太陽表面の南西の活動領域(黒点群)の2673番に大規模なフレアが発生したと知りビックリしました。このフレアの強度はX2.2で、さらに21時頃同領域でいつそう激しいX9.3の大規模フレアが発生しました。

このフレアは、全地球測位システム(GPS)や航空機通信などに使う短波通信に影響する可能性有りと報じられました。
このフレアは2006年12月5日以来11年ぶりだそうです。活動サイクルの中で、太陽は極小期に向っていますがこうした太陽の表面で今回発生したような大規模な爆発現象が起こることは珍しいことと報じられています。自然の力は恐ろしいという現象ですね。


☆また立山に行ってきました:中嶋

富山県天文学会さんの立山でのスターウォッチングの講師として山本正章さんと組んで行ってきました。
今回は少し標高が高い場所です。偶然、同夜に立岩さん、中川さんがもっと高いところで撮影していました。夜間は快晴にはならず、雲に邪魔されました。


☆M−GENで夏の星座撮影にリトライしました:越野

梅雨時期の数少ないチャンスを狙ってキゴ山へ出陣しました。
目標は、いて座付近の星雲(M8、17、20)他と天の川銀河です。

結果、春先に購入したオートガイダー(M−GEN)の効果により長時間(約 5分間)の撮影が可能になったことから、昨年の作品に比べてだいぶ画質(特にザラツキ)が良くなったことに感激(自己満足)しています。
特に今回は、キゴ山では諦めていた天の川銀河が某所に近いくらいの成果がありました。
しかしながら、以前からの”ダークノイズ”の課題がクリアできておらず、何とか今年中にはトライしたいと考えていますので、皆さんのアドバイスをお願いします。

※中嶋(白峰はススキなど刈り込まれていなくて前景が厳しくなっていました)

☆立山室堂星景写真:立岩

8月26日(土) 中川さんと立山室堂周辺で星景写真を撮ってきました。
徒歩で移動のため撮影場所をミクリガ池周辺と決めて、まだ明るい内にロケハンしました。

撮影目標は次の通りです。
@夏の天の川 A剱岳をシルエットに北天の日周運動 B立山、ミクリガ池の構図(方位:東)で日周運動 CAM3時頃に立山上空に昇ってくるオリオン座と池に写るオリオン座

撮影結果は、
@低い位置の薄い雲が取れなかったのと、富山市街地の明かりで天の川の核心部が今一でした。
A北天の日周運動は撮れたもののミクリガ池周辺では剱岳の一部しか見えずイメージとは違った写真になりました。
B運良く池の水面が穏やかだったので上手く撮れました。
Cこちらも運良く水面が穏やかだったので空と池でダブルオリオン座が撮れました。

追記:立山室堂は標高が2400mあるので夏でも日が落ちると気温がグッと下がり、恐らく明け方近くは気温が一桁だったような気がします。冬の夜間平地での撮影用装備を着込んでいましたがそれでも寒かったです。全般を通じ大変充実した撮影でした。

☆RICOH THETA Sで360度撮影:中川

ロケハン用に買っちゃいました。
スマホのアプリとWi-Fiをつないで、夜でも360度写真がお気楽に撮影できます。
立山室堂、西田幾多郎哲学館、キゴ山の星見の日を撮影しました。

● 8月26〜27日
立山室堂星景写真撮影に立岩さんと行ってきました。晴れたら出発!の宿なし撮影、さすがに明け方は冷えましたが、8月ならなんとかダウンコートとカイロで乗り切れる寒さでした。雲の多い星空でしたが、天の川も見え、ミクリガ池に映るオリオン座を撮影できました。

● 9月2日〜3日
かほく市の西田幾多郎哲学館に月夜の星景写真を撮りに行ってきました。今年4月から哲学の杜のライトアップをやっていて、9月29日までフォトコンテストもやっています。残念なことに、ライトアップ中は明るすぎるため、ライトが消えてから撮影してきました。


☆満天星秋の合宿:中嶋

満天星にて合宿を10月に行いたいと思います。10月21日が月齢1.3の撮影日和です。
結果と希望についてはMLにて行います。

☆アメリカ皆既日食と2035年日本:長

先日のアメリカ皆既日食は、日本からも多くの方が行かれました。ニュースでは良く晴れたような印象がありますが、皆既帯の全てが晴れたわけではありません。涙を飲んだ方も多くおられました。工大OBの折戸さんも薄曇りに阻まれたところでした。しかし、超内部コロナの撮影には成功しています。多くの撮影者は超外部コロナから外部コロナを基準にしているので、拡大撮影をやっている人はほとんどいませんでした。色々な解説もYouTubeでアップされていますが、月の山と歳差や見掛け上の月の首振り、そして観測地の高度によって見られ方が異なる説明をしているものがあります。これはビジュアルで判りやすい説明です。
https://youtu.be/WXZRfaLWCQo
https://www.youtube.com/watch?v=nqdRCsZfugQ
また、ダイヤモンドリングに特化した撮影を試みた人たちもいました。コロナも撮影したいけれど彩層をできるかぎり長く観察するためには、皆既中心から外れた場所に陣取るわけです。月の山の見え方を予測すれば多くのダイヤモンドに恵まれるのです。欲張った観察になりますが、シャドーバンドも観察にも良い場所取りになります。
shadowband
https://youtu.be/aFWeB6Pu1Aw
https://youtu.be/1I4YNa5-nuk

2035年に見られる日本での皆既日食はNASAのHPから調べることが出来ます。
https://eclipse.gsfc.nasa.gov/solar.html
https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEdecade/SEdecade2031.html
https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEanimate/SEanimate2001/SE2035Sep02T.GIF
https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEsearch/SEsearchmap.php?Ecl=20350902

地図の観測場所をクリックするとデータが表示されます。
私は、かねてより穴水藤住山を天文台候補地として研究していましたので、元気であればそこに居る予定です。そこのデータは次のようなものです。
Lat.:?37.2652° N               
Long.:?136.9753° E               
               
Total?Solar?Eclipse               
Duration?of?Totality:?2m28.2s               
Magnitude:?1.013               
Obscuration:?100.00%               
Event              Date   Time?(UT) Alt  Azi
Start?of?partial?eclipse (C1)?: 2035/9/1 41:47.4  38.1° 111.9°
Start?of?total?eclipse (C2)?:  2035/9/2 01:38.3  51.5° 132.5°
Maximum?eclipse?:        2035/9/2 02:52.3  51.7° 132.9°
End?of?total?eclipse (C3)?:   2035/9/2 04:06.5  51.9° 133.3°
End?of?partial?eclipse (C4)?:  2035/9/2 29:55.9  60.3° 168.9°

ちなみに日本本土で一番長く見られるのは、36.2271°N  140.5633° E で、2m36.6sです。

☆プラスティック補修:長

プラスチックの修理、補修財「プラリペア」と言うものがあります。プラケースや接続部の破損、プラ部品の作製に役立ちそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=jVOX3BK2e8o

☆宣伝:長

スコープテックよりユニバーサル☆アダプターを販売開始されました。
スコープタウン(スコープティックのネット販売)
http://scopetown.co.jp/
http://scopetown.jp/index.html
https://blogs.yahoo.co.jp/solunarneo/56059642.html
https://blogs.yahoo.co.jp/pelpel0220/42111626.html

☆カメリア祭り:長

今月最終日の30日は、野々市カメリア祭りです。いつもの様に公園東にある小山周辺に望遠鏡を設置して観望会を行います。機材の積み下ろしは、ゴミステーション側のところで行い、駐車は基本的に北駐車場ですが、空きがあれば近いところに駐車できると思います。これについては、後日アナウンスが松田さんより発信されると思います。

☆吉野オートキャンプ場観望会:長

先月の予定日は天候不順のため残念な結果になりました。要望もあってリベンジを行おうと計画していますが、本年は週末に悪天が続いていますので、晴れると協力者が不在の可能性が高いです。そのため先方に打診しにくい状況です。少なくとも4名以上の協力者が確定したところで連絡をとるつもりです。(例会にて4名の名乗りがあり、先方に打診することになりました)

【次回の例会】

10月 8日(日)13時〜
  銀河の里キゴ山ふれあい研修センター 天文学習棟にて

 


 

2017.9.12


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