2017年 11月 定例会 報告

  

 

【 概要 】

 日 時 :2017年11月 12日(日)
 会 場 :銀河の里キゴ山 ふれあい研修センター  天文学習棟 宇宙科学工房
 出席者 : 10名

出席者が少なかったです。
新しいメンバーとして干場輝夫さんが来られました。伏見台小学校で理科専科教師をされています。

【例会内容】

☆アケルナル撮影の紹介:長

石川県では撮影が流行っています。
先日は小松の大杉さんと森さんが、石川県最南端撮影を実施し徳光にて撮影に成功されました。
満天星の室石さんの情報が使われましたが、山岳シミュレーションのカシミールやGoogleEarthの利用で、確認場所も選択し易くなったことも成果の繋がっています。
九州では、エリダヌス座α星のアケルナルの確認が行われています。
先日も大分県牧ノ戸峠において大分天文協会の山本さんが標高1237mにて撮影されています。
地域限界星確認も面白い取組です。

☆1I2017U1 ('Oumuamua):長

観測史上初の恒星間天体と思われる天体が太陽系を貫通していきました。
これは、10月19日ハワイ大学のRob Werykさんがパンスターズ1望遠鏡を使った観測で、高速で移動する直径400m未満の小天体を発見し、小惑星センターに報告された。
当初は彗星と思われたことから「C/2017 U1」との仮符号が付けられたが、その後の観測では彗星活動が見られないことから、現時点では「A/2017 U1」('Oumuamua)と呼ばれています。

離心率e1.1897018ですので、二度と太陽系には戻ってこない天体になります。
観測されたデータから軌道を過去に遡ってみると、A/2017 U1はこと座の方向から秒速25.5kmで恒星空間を移動して太陽系へやってきたことが解り、今年9月2日、A/2017 U1は黄道面を北から南へと横切って太陽系の南側へと回り込み、9日に太陽に最接近しました。
そして太陽の重力に引っ張られて運動方向が南から北へと変化し、10月14日に地球の南約2400万kmを通過したことになります。
地球に最接近したのもこのころです。
その後、A/2017 U1は22日に黄道面を再通過して太陽系の北側に出てきています。
現在は太陽に対して秒速44kmの速度で、ぺガスス座の方向へ向かって移動しています。

☆城めぐりあれこれ:長

P.ローエルの調査と並行して、古城跡巡りを続けています。
古城の多さでは岐阜県が800以上もあり多いところですが、北陸も一向一揆において多くの城が築かれています。
ここ20年ほど資料を基に記録撮影に廻っていますがなかなか巡るのも大変です。
平地ならまだしも雑林に覆われた山が多く、また調査も進んでいないところでは、地形図をもとにそれらしいところを散策するのです。ローエル写真の調査と手法は同じです。
先月と今月で龍ケ峰城・木舟城・高岡城・津端城・加賀朝日山城(再確認)の富山県石川県の倶利伽羅を挟んだところを廻りました。まだまだこの辺りは多くの史跡城があります。
旧の北國街道を西に進み車の通行できないところから北に行くと田畑の端に土盛りのある小山を見つけ撮影し、その後に調べてみると22012の仮符号が付けられた未調査の山城でした。
この間に滋賀県攻めも行っています。安土城跡(現在は有料になっている)、彦根城、関ヶ原、姉川も巡っています。

☆放課後子ども教室:長

野々市市子どもセンターの放課後子ども教室の面白科学実験を担当してずいぶん経ちます。
初回の子供たちは既に中学生になってしまっています。
ジュースで電気作りや100均商品出で天体望遠鏡を作るなど、作りながら原理を教えるのです。
苦労するところは、安くて簡単であり実用的なこと、その上発想を養う内容を考えることです。
重さって何だろう?では、実際には解明されていない重力についての根本的な謎についても解説するのです。
分光についても波長が感覚的に理解できるように実験や現象を見せて分光器も作るのです。
先月は水滴って何だろう?をテーマに水は電気分解しなければ消えない話もしますが、じゃあどれほどの温度があれば分解するのかまで解説します。
子供たちは驚くほど理解し興味を示すので毎回悩んで企画しても報われています。
当たり前で終わるのでなく、しっかりと原理と概念を教えるのですから、こちらも勉強になっています。
http://kodomo.nono1.jp/category/houkago/


☆10/10 αTau掩蔽限界線観測:山川

加賀市中央公園にてαTau掩蔽限界線の観測をしてきました。
例会内で機材についてはお話しませんでしたが、いつものVixen GP-D赤道儀+C8鏡筒 Nikon D5300での動画撮影です。
携帯電話にて時報を流しつつ記録しました。
ちょっと失敗はありましたが、3回の明滅を確認しました。予報とかなりよい一致をみられたと思います。

☆10月の火球など:山川

天候の悪い日々が続きましたがUFOCaptureで得られた火球などを紹介しました。
10/23の夜には三つ 白川郷付近を流れた-6.7等がこの日の一番でした。
10/25は23:12:40に能登沖で-7.7等の爆発火球がありました。なかなかに派手でした。
10/26に等級的には火球までいかないのですが、特徴的な崩壊の仕方をする流星が得られました。SonotaCoネットワークにて大きな話題となっています。

ちなみに例会では言及していませんが、機材はWatecのアナログモノクロカメラ WAT-N100(0.001lx) および WAT-902H2 ULTIMATE(0.0001lx)です。


☆カノープスを見てきました(初冬編):中嶋

石川県内でカノープスが見えることは今年の2月4日に碁石ヶ峰で確認(2月例会で報告)していたのですが、11/1の新聞に「カノープスの撮影に成功」と載っていたのを見て、積雪が無い時期の様子を再度確認に行くことにしました。

11月6日:晴天に恵まれそうなので、以前に観察できた宝達山に向かいました。
しかし、南の見通しが悪く、カノープスを見ることはできましたが、全経過の撮影はできませんでした。
11月7日:碁石ヶ峰に向かい確認しましたが、雑木の成長と強風のため写真は不満足な結果でした。
11月10日:再度、機材を練って碁石ヶ峰へ向かい、撮影に成功しました。ただ、透明度は前回ほどよくありませんでした。

見るだけならば、上記二箇所は大丈夫ですが、山道、熊には注意して下さい。


☆久々の撮影とフォトコン入選:岩瀬

9/30 久しぶりに晴れ、白山ろくにて撮影しました。
フルサイズ+10cm400mm屈折にて、スバルやオリオン星雲を撮りました。
フラットが合っておらず改善の余地ありです。

また、西田幾多郎記念館のライトアップのフォトコンテストに申し込み、入選した写真をお披露目。
コンテストで選ばれるのは初めての出来事でした。

☆トライバーティノフマスク:岩瀬

通常のバーティノフマスクのピント合わせに加え、光軸調整も同時にできるものです。
実用化版が出来た模様で、星見屋さんの頒布販売に申し込みました。年内には届くようで待ち遠しいです。


☆CLSフィルタの効果について:越野

この度、”今更”ですがカメラをX2→X5に更改しました。
理由は、ISOが1600→6400にUPしたことと、液晶モニタが可動式であることで、改造を含めて二台購入してしまいました。(中古なので安かったですが…○○沼にはまりそう…)
ここで少し気になったのが、今までX2で使用していた「CLSフィルタ」をX5にも使用すべきか?です。
この件について本例会で皆さんから意見(アドバイス)をいただきました。
結論は、「CLSフィルタはHαとHβ付近のみを通過させるため、光害の発生し易いロケーションで使用するためのもので、キゴ山のような箇所では不要ではないか」ということでした。
そこで、実際に昼間の風景写真で双方を比較したところ、”装着”した画像は全体に赤みが強く(青みが薄く)なっていました。
…と、いうことで、(遅まきながら)今になってようやくこの理屈が理解できました。今まで装着したままでも特に支障はなかったように思えるのですが、これからはロケーションによって使い分けることとします。
…いつもいつも、貴重なアドバイスをありがとうございました。


今後のイベント:
11/25満天星合宿
11/26金沢市NAOJ締結式
1/27(土)新年会開催希望 月令10.4
1/14(日)例会(冬季会場は野々市市カメリア)

来年1〜3月の例会は、カメリアにて行います。
会場:野々市市情報交流館カメリア 302号室(案内に掲示されています)
http://camellia.nono1.jp/

【次回の例会】

12月 10日(日)13時〜
  銀河の里キゴ山ふれあい研修センター 天文学習棟にて

 


 

2017.11.15


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