2019年 5月 定例会 報告 |
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日 時 :2019年5月12日(日) 晴天でもあり合宿後の例会でもあり多くの参加者でした。 【例会内容】☆1060時間の長時間露光で撮った大マゼラン雲:長フランスのアマチュア天文家5人が大マゼラン雲を16分割して撮影し、モザイク合成した画像が紹介されています。 https://www.gizmodo.jp/2019/04/the-large-magellanic-cloud-image.html ☆暗黒物質は存在する:長 ダークマターをほとんど含まないふたつ目の銀河「NGC1052-DF4(DF4)」が、同じ宇宙領域で、しかも1年を待たずに見つかり「The Astrophysical Lournal Letters」で発表されこのような銀河が数多く存在する可能性が浮上しました。 そんな中、光を吸収することも反射することもないダークマターの可視化に、カナダのウォータールー大学の研究者たちが初めて成功しました。 彼らは、45億光年先にある銀河のペアの画像2万3,000枚を合成し、銀河間に存在するとみられる「弱い重力レンズ」の影響を解析し、宇宙の大規模構造に大きく関与しているとみられる熱運動の速度が非常に小さく、ほかの物質とは重力だけしか相互作用しない、「冷たい暗黒物質:コールドダークマター」を可視化することに成功しました。 https://wired.jp/2019/05/10/dark-matter-theory/ https://wired.jp/2017/05/16/visible-dark-matter/ ☆地球にない「熱い氷」:長 このほど、新しい種類と見られる氷をX線でとらえることに成功しました。「超イオン氷」という導電性の高い氷で、5月8日付けで『ネイチャー』に太陽の表面温度の半分ほどの高温と、100万〜400万気圧という高圧下で存在する氷です。 これだけの高温・高圧条件が地球上で自然にそろうことはないが、天王星や海王星といった、大量の水がある巨大惑星の深部では可能だと考えられます。これらの惑星は独特の磁場を持っており、その起源の謎を解く鍵になるかも知れません。 30年以上も前に、水に非常に高い圧力をかけると超イオン氷ができることが予想され水の結晶構造は、すでに17種類も知られています。 今回の論文では惑星に限った話になっていますが、酸素分子が発見された太陽でも起こりうることが考えられます。 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/051000268/ ☆星仲間の会にて:長 さきほどキゴ山にて開催されたキゴ山「星仲間の輪を広めよう会」の発足にて観望会の心得として講義を行いました。 この内容に関して、PDFファイルにしたものを星の会HPにもアップロードしたいと思います。 「星仲間の輪を広めよう会」 https://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/26114/1/hosinakamanokaihossoku.pdf ☆合宿成果:長 満天星では、星空に恵まれ楽しめました。お手軽機材で、オートガイドをせず12cmアクロマートの直焦点撮影とfiji X-1のレンズキットのレンズにて天の川の撮影です。 未だデジタル現像を行っていません。先に不良画像を取り除く作業を行っています。その中でM104を撮影したデータには静止衛星が含まれていました。 他にも多くの衛星が通過していますので面倒です。昔はこんな悩みなど無かったのですが、その分デジタルになり多くの撮影ができるメリットもあります。 せっかくのデータなので、楽しみながら現像します。 ☆合宿成果:日尾 共有アルバムの星夜写真に載せた物を紹介しました。 牧野さんのミューロンを見せていただいた後に少し撮りました。 4/28に新田さんとキゴ山で撮影した物と比べると満天星の空の暗さが分かります。 ☆合宿成果:新田 5月3日の満天星はとても素晴らしい星空にめぐまれました。しかし、残念ながら私のカメラの動作が不安定でした。 撮影の使用したカメラはキャノンのEOS-Mですがこのカメラはタイマーリモコンの接続端子がないので、この日も以前に例会で紹介した自作した赤外線リモコンをタイマーリモコンで制御する装置を使っていました。 おそらく、こ装置の電源電圧の低下が原因だと思いますが、そのせいもあり長時間撮影が出来なかったの残念です。 今回は、北斗七星周辺のM97,M108、しし座周辺のM65,M66,NGC3628、カラス座周辺のNGC4038,NGC4039を撮影しました。 撮影に使用した機材は次のとおりです 赤道義:ビクセンSX2 望遠鏡:笠井 GINJI-F150N f600 F4 QHY5Lによるオートガイド カメラ:キャノンEOSM改造 ISO:1600 撮影時間:4分8枚 これまでは、撮影にはディープサイクル鉛蓄電池(重量24Kg)を使っていたのですが、毎回24Kgを持ち歩くのが大変になってきたので、この日のために容量は半分ですが、60Ah、重量1/10程度のリチュウムイオンバッテリーを準備しました。 オートガイド用のた古いパソコンを一晩稼働させても本体の容量表示は残容量50%以上を表示していました。 もう一つ、赤道義用に用意しましたが、これも残容量50%以上を表示していました。 容量的にはOKでしたが後は寿命ですね。因みにディープサイクル鉛蓄電池は10年以上使用しました。 写真は処理後アルバムにアップします。 ☆エクステンダーの効果について:越野 先月の例会にて皆さんに紹介した「エクステンダーPH」の効果を試しに、5月3日の夜に一人でわんぱく広場へ出陣しました。 狙いはM51,M101,M104です。 この時、今まで改造カメラ(UV-IRカットフイルタ装着済)に更にCLSフィルタを装着していたのですが、F値が大きくなった分をカバーするため外しました。 これにより露光時間を5分→3分に短縮し、また、コンポ枚数を倍の10枚に増やしました。 この結果、画像の大きさが1.4倍になったおかげで迫力が出てきました。 この後、5月7日に鳥越方面へ出かけてM81銀河群、M66銀河群、そしてM97(ふくろう星雲)を撮りましたが、同様の効果が確認出来ました。 (「コンポ枚数を倍にすれば画像はもっと鮮明になる」とのアドバイスがありましたので、今度リトライしてみます。) 高価な買い物だったので少し不安でしたが、これからが楽しみです。 …弘法、筆を選ぶべし…ですね! ☆ポータブル赤道儀も買ってしまいました:越野 今まで、撮影をしている時間(30分〜1時間)が退屈(特に一人の時)だったので、暇つぶしにポータブル型も欲しいなと思っていたところ、洲崎さんからCD-1を手放したいという"ささやき"が聞こえましたので、「渡りに舟」とばかりに即、乗ってしまいました。 この効果を試すため、5月2日の夜に中嶋、米林さん他3人でS.Wの帰りにわんぱく広場へ寄りました。 0時頃に夏の大三角(天の川)が上がるので、それ狙いです。 結果、17mmの広角でしたが、ガイド値が1.1代と、素晴らしい性能が確認できました。 本品は積載重量は5kgで三脚もアルミ製でシッカリしており、おまけに極軸望遠鏡も譲ってもらい、喜んでいます。 50mm程度にするとガイド値は大きくなりますが、そんなに違和感はありませんでした。 …この後、この星野写真用に3台目の改造カメラ(中古品ですが)も買ってしまい、またしても「ズブズブ」になってしまいました… ☆みずがめ座η(イータ)流星群報告:山川 UFOCaptureによるTV観測結果を報告しました。天候にも恵まれまて、まずまずのデータとなりました。 朝の2時過ぎから活動を始める群ですので、眼脂観測では早起きして観測することになります。 また、南東カメラによる10日間にわたる流星の動画を紹介しました。長経路にわたる姿が印象的でした。 ☆太陽黒点の観測・撮影:河合 4月定例会でも報告しましたが、その後も天候に恵まれて黒点の観測・撮影を継続しました。 4月12日以降、4月18日に2739群が発生、5月5日に2740群が5月8日に2741群が発生しました。 5月12日現在、2739群が西に沈み2740・2741群の2群が見られます。 黒点は目立つ活動も少なく磁気圏も静かです。 この後、2群の黒点は静かに西に沈んでいくのでしょうか。 ☆満天星春合宿・星景写真活動報告:立岩 ・21:00〜最初に満天星学芸員の宇佐美さんと輪島市曽々木海岸の遊歩道のトンネル内でトンネルの壁面を額縁のように使い西方向のカペラなどを入れ撮りました。 ・22:00〜輪島市の千枚田で北天の日周運動を撮りました。千枚田の上部は道の駅の明かりが強すぎるので下部にポジションを取りISO100、F3.2、37分露出で撮りました。比較明合成に比べ星の軌道がシャープに写ります。 ・23:20〜珠洲市大谷の風力発電で撮りました。山の上なので天の川もクッキリと撮影出来ました。民家からだいぶ離れているので単独の撮影はお勧めできません。 ・02:00〜満天星に戻りコテージで休憩と画像処理の講義を受け午前2時ごろから植物園内で撮影を開始しました。撮影条件としては最高の夜空で天の川の蠍座、射手座の鮮やかな方向を中心に撮影しました。カシオペア座方向の淡い天の川も綺麗に撮影出来ました。 ☆満天星での撮影報告:芦田 満天星での初めての撮影でした。今回は以下の4つを報告します。 ・M4(球状星団)は、反射望遠鏡(D13cm、f650mm)の直焦点、露出15秒、ISO8000で5枚をコンポジット。 ・M57(環状星雲)も、M4撮影と同じ条件ですが、2枚のコンポジットです。被写体が中心にあるかどうかを、ファインダーで確認して位置決めし、試しどりして確認しながら2-3回修正しました。自動導入装置はないので、うまく操作することが今後の課題。小さいながらも緑色が出ているのがうれしいです。 ・いて座付近の天の川。条件は28mm(フルサイズ)、f/4、露出60秒、ISO2500、5枚をコンポジットしました。天の川がこれだけ写せたのも初めてのことで、感激です。 ・はくちょう座からカシオペア座までの天の川。条件はいて座の写真と同じです。 ☆合宿:岩瀬 5/3 星の会の春合宿が満天星でありました。館の職員さん曰く「年に2,3回しかない空」と! その時撮影したSumyang14mmでの天の川のタイムラプスを公開(電源トラブルでレンズが曇る悲劇あり)。また、シュミカセで撮影したひまわり銀河とドーナツ星雲を披露。 ☆木星:岩瀬 5/11木星を今期実質初撮像。気が付いたら衝まであと一ヶ月。木星シーズンになりました。 2時間撮影して、最後の最後で気流が良くなりラッキー。もっと気流が良くなることを期待です。 ☆横浜支部拠点紹介:岩瀬 2等星がギリギリ見えるところですが、良きバルコニーがあります。お近くに来た際には、是非、お立ち寄りください。 ☆この1ヶ月(4/14-5/10)の撮影成果:中嶋 ・4/12(金)-13:わんぱく広場に行って来ました。大友さんと出会いました。 ・5/3(金)-4:満天星合宿 ・5/7(火)-8:白峰は今年初でしたが、木々が除伐されていてスッキリしてました。 ただ、大きな木は残っていたので低空を撮るときは場所選びに注意が必要です。 成果の写真は共有アルバムにアップします。 ☆満天星合宿に参加しました:桶作 ・M8 M20 3min * 10枚 ・青い馬 3min * 11枚 ・網状 3min * 5枚 <機 材> Nikon D810A TAMRON 7-200mm F2.8 <設定等> クロップモード 300mm ISO:1600 F:4 ☆VIXENの自動導入システム:米林 VIXENの自動導入システムのSky sensorが製造完了してかなりの年月が経ちました。 GPD/GPを持ちながら自動導入システムを購入できないことを残念に思ってる人も多いようで同機のコピー?と思われるSkyWatcher製のEQ5/EQ3の自動導入システムがSynscan Kitという名称で販売されています。 なので自分のGPDに取り付けてみた過程と問題点を紹介しました。 ☆最近の星景写真撮影の報告:干場 ・午前2時頃の天の川を、キゴ山、満点星で撮影した。 空が暗い満点星での写り方は明らかにキゴ山よりよい。 同じキゴ山でも日によってはかなりの違いがみられた。 会員からは、数枚のファイルをコンポジットしてみてはどうかと助言していただいた。 ・比較明合成に初チャレンジした。野々市カメリア、並びにキゴ山展望デッキから。 キゴ山で撮影したファイルをコンポジットする際に、試し撮りのファイルもコンポジットしてしまい、おかしな結果となったので以降は気をつけたい。 ☆カメリア観望会 5月25日(土) 19:30〜21:00 場所:あらみや公園(野々市市役所横(野々市市三納一丁目1番地)) 【カメリア】季節の星空観望会について(共通事項)のお知らせを金沢星の会の共有アルバム会員限定フォーラム(隠し部屋 ルームNo.101)にアップしてあります。 駐車場所や天候判断連絡等を事前にご確認下さい。 また、「一般公開観望会の心得」が同共有アルバム観望会etcフォルダにありますのでこちらもあわせてご確認ください。 ☆川北夏の夜空観察について:日尾 7月24日(水)ほぼ予定金曜日はキゴ山と重なるので24日の水曜日あたりに希望を伝えました。 能美星の会にもその旨を連絡しました。 ★次回の例会 6月 9日 13時〜
2019.5.19
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