2019年 6月 定例会 報告

 

 日 時 :2019年6月9日(日)
 会 場 :銀河の里キゴ山ふれあい研修センター・天文学習棟・天文学習棟宇宙科学工房(レクチャールーム)
 出席者 : 22名

薄曇りで少し肌寒い感じのする日でした。
星の会のいつもの駐車スペースに一般客が勘違いして停め、かつ牧場跡入り口を塞いでいました。展望駐車場に駐車白線が無いので、こんなことになっているようです。

【例会内容】

☆ブラック・ホールの説明にレンズを使う:長

金沢大学の講座で事象の地平と特異点を説明するのにレンズを使って行いました。
キゴ山所長さんにこの話をしたところ見てみたいとのことで、例会でも紹介しました。

参考ですが、科学館にある実験装置
https://www.youtube.com/watch?v=fSXQaPK8Di8

☆まぎらわしい動画:長

ブラックホールの説明動画の中で、M87に隣接するPGC139919とPGC41342がまるでM87のジェットのように表現しているものがあります。

まぎらわしい動画
https://www.youtube.com/watch?v=zHjWSiSZRmo&t=10s
https://www.eso.org/public/videos/eso1907o/
正しい動画
https://www.youtube.com/watch?v=UWcKmjMcqdU
https://www.youtube.com/watch?v=N_Sbq4JWqnE

☆SpaceX Starlink satellite train:長

スペースXによって一度に60機もの衛星を打ち広げた動画を紹介しました。
https://www.youtube.com/watch?v=T6v47CmRA7A
これにより観測に支障が発生しています。
ローエル天文台に起こった実例
https://www.iau.org/news/announcements/detail/ann19035/
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12259.php

☆エクステンダー効果の確認と天の川撮影にリトライしました:越野

5月下旬に干場さん、松田さんと鳥越方面へ出陣しました。私はM108、M64、M97狙いです。
前回同様にPHエクステンダーを使用しましたが、大きく写り、使用前に比べて迫力が増し、満足しています。
これからはPHエクステンダーを使って撮り直して行きたいと思います。
M97については今回、コンポ枚数を8枚→20枚と大幅に増やしてみましたが、効果が薄かったです。…残念!
午後11時過ぎになると夏の大三角とさそり座の全景が見えてきたので、狙いをそちらに変更しました。
夏の大三角付近は光害の影響が少なく、デネブ付近の北アメリカ星雲なども写っており、まずまずの成果でした。
さそり座付近は近くの山際にどこかの街明かり?が差し込んできたため天の川が途中切れになっていました。それでも、さそり座、いて座、木星のコラボレーションがバランス良く写っており、これからも時々、このシチュエーションを撮って、移り変わりを見ていきたいと思います。


☆この1ヶ月の撮影成果:中嶋

・5/26(日):前日に満天星でスターリンク衛星を見たという情報があったので自宅で撮影に挑戦した。
撮影はできたが、予想より明るくなく通過の確認程度だった。
・5/29(水)-30:天候が良さそうだったので白峰に遠征した。
スターリンク衛星も通過するとのことだったので狙ったがさらにバラけたようで、多く写っていたが暗かった。その他ディープスカイ対象を撮影しました。


☆ピラー作成:米林

先月の例会で紹介したGPD赤道儀をピラー化しました。(理由は、単にピラーが好きなだけです)
純正?らしいピラーを入手しましたが、アルミ製の直径100mmΦピラーに対して、肝心の柱の部分の肉厚が1mm以下でした。鏡筒用のアルミパイプを転用したものとしか考えられません。
パイプが軽いために重心は高く不安定で、赤道儀の架台を乗せるとぐらぐらします。

これは鉄パイプに交換するしかないとネットで部材を探し、似たようなサイズのステンレスパイプを切り売りしてくれるお店を見つけ購入してみました。
とりあえず脚まで組付けてみましたが、なかなか良いバランスになりそうです。
まだ、不足している部品の手配と穴あけ加工などが残っていますが完成が楽しみです。

☆満天星合宿の成果:米林

先日の満天星での合宿で撮影したデネブ〜サドルあたりの天の川とHα星雲の写真を披露しました。
露対策が不十分だったため15枚しか使えそうなコマがなかったのですが、重ねて石原さんに画像処理をしてもらった写真を披露しました。
毎回撮影に行くたびに課題が出てくるもので、なかなか満足の行く撮影は出来ませんが次回の撮影ではもう少し工夫をして撮影したいと思います。


☆工大天文部に実習を行う予定:干場

工大天文部の何人かが天体写真の撮影に興味を持っているので、鏡筒をはずしたビクセン赤道儀にカメラを載せられるようにしたもので実習を行う予定です。
例会では雲台は無用ではないかとのご指摘を受けました。


☆五月の火球:山川

春先は目立った流星群の少ない季節ですけれど、なぜか火球の遭遇率は高いという謎の季節です。
今回はSonotaCo掲示板で久々に賑わった5/17 01時30分22秒 立山付近から駿河湾へ抜けた火球です。
http://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=4329
特にスペクトルから『FeとNaしかない、Mg-Free』という火球の報告のほか、若狭湾や岐阜、美濃、諏訪、金石沖と当方で捉えた火球を動画をまじえて紹介しました。


☆M87銀河の撮影:洲崎

4月にブラックホールの直接撮影成功が報じられましたが、その本体であるM87銀河を撮ってみました。
M87銀河は中心部よりジェットが出ていることで、数十年前から個人的に興味がある銀河です。また、この強い光や電波で「ウルトラの星」になるハズでしたが、ちょっとした手違いでM78星雲が「ウルトラの星」になってしまったのは、非常に残念に思います。
M87銀河はおとめ座にあり、今が観望・撮影のチャンスです。よくあるような楕円銀河なので、ここはやはりジェットが撮れないと意味がありません。
まず15cm/600mmニュートン反射で撮ってみました。(120sec x5,ISO1600,フルサイズ改)

1枚ずつを拡大すると、うっすらと見えるのですが、コンポジット後では、その気になれば判る程度でした。
別の日に、20cm/1600mmリッチー・クレチアン反射で撮ってみました。(90sec x7,ISO1600,フルサイズ改)
さすがに前回の2.5倍以上の焦点距離がものを言い、コンポジット後でも倍程度の拡大で楽にジェットを見ることができました。目的達成
おとめ座のこの付近は銀河が密集しているところで、以前の例会の時に話題となった「マルカリアンチェーン」があるところですが、15cmで撮ったときに偶然「マルカリアンチェーン」が入っていたのは望外の喜びでした。


☆横浜での撮影:岩瀬

横浜支部拠点のバルコニーからの初撮影を試みました。20秒も露出すると真っ白になってしまう都会の空ですが、光害カットフィルターを使って、10cm屈折400mmで、M27、M57を撮影。15秒露出で約200枚 のコンポジットで、姿を捕らえることができました。案外、写るものです。なお、短時間露出だと、ダークもフラットも条件変えずにそのまま撮れば良いので楽です。

☆Chromecastを試してみました:日尾

https://store.google.com/jp/product/chromecast
Lineペイのキャンペーンで5千円当選したので買いました。
例会のプロジェクターでスマホのGoogleフォトやSkysafariを表示させてみました。

☆ツーリング紹介:日尾

伊吹山へのツーリングや輪島まつりの様子を紹介しました。
輪島まつりの花火は20分間に2万発上がるのでかなり迫力があります。
輪島市文化会舘では某有名星景写真家の受賞写真も拝見いたしました。











☆星の会の名入れスタッフベストをお披露目:中嶋

星の会のスタッフ用のベストができました。
サイズ感がわからないので当初はF(フリー?)サイズと最大の3Lサイズを発注しました。
Fを10着、3Lを5着作りましたが、その間のXLサイズを10着追加することになりました。
会員共用としてキゴ山に置いておき、「星見の日」などのイベント時に着用することにします。

【今後の観望会】

・川北夏の夜空観察:7月25日(木)
・カメリア夏の星空観望会:8月6日(火)
・新庄2丁目夏の星空観望会:8月8日(木)
・白山吉野オートキャンプ場観望会:8月24日(土)

★次回の例会

7月14日 13時〜
銀河の里キゴ山ふれあい研修センター・天文学習棟・レクチャールーム



 

2019.6.16


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