2019年 10月 定例会 報告

 

 日 時 : 2019年10月13日(日)
 会 場 : 銀河の里キゴ山ふれあい研修センター・天文学習棟レクチャールーム
 出席者 : 11名

台風19号が接近し中部関東に多大な被害が出た翌日の開催です。
キゴ山への道のりは落ち葉がわきに積み重なっていました。

【例会内容】

☆キゴ山「お泊りスターウォッチング」:中嶋

11/01(金)と22日(金)の二回に分けてキゴ山で自力で行われることです。
今のところ星の会に要請はありません。

☆COSMOS80号のゲラ刷りを回覧:中嶋

しばらく休刊していましたCOSMOSですが、原稿が集まりましたので次に発行する80号のゲラ刷りを会場で回しました。
原稿の振り分けの関係で2ページに空きがある状態です。作品などを掲載する予定です。


☆衝動買いしました:長

先 日、キゴ山の工具を探しているときに立ち寄った中古販売店にて古いレベル測量機を見つけました。実家は工務店でしたので知っていた物です。京都の家屋はどこも薄暗いもので1960年代当時は口径30mmが普通で見辛かったのです。父は口径45mmを買って仕事に使っていたのですが、月の綺麗な日には月に合わせてくれたものです。中学生のころに長年使っていると精度が落ち、機械いじりが好きなら一度調整してみるかと渡され苦労して主鏡蓋を外してみました。ところが複雑な構造で挫折したのです。今回見つけたものが同じ物でした。分解手順は今でも覚えていて、直ぐに裏蓋は外せましたがやはり当時と同じで調整機構の意味がハッキリしません。使う訳でもないのですが、持っているだけで満足するメカニックです。

☆星見の日の在り方について:長

会員の意見交換を行いました。当会でもレーザーコリメータの取り扱いと解説の在り方については、星の会HPの共有アルバム→観望会→etc→一般公開観望会の心得に5月16日にファイルを追加しています。先のファイルは2010年4月27日にWord形式にてアップしています。これらは、仲間内での観望会とは明らかに異なるものです。それが守られていない現実があり、また、全国の観望会ではレーザーコリメータの使用を禁止する傾向が広がっています。現在では、ほとんどの所では使われていないのです。緑色高輝度レーザーはクラス3で目に入ると僅かな時間でも障害を及ぼすものです。一番の懸念は望遠鏡のフード内に照射される危険性です。内面反射でもコヒーレントのレーザーは接眼部に焦点を合わせます。暗がりだったから分からなかったなどと言う言い訳は通用しません。少しの油断で観望者の人生を変えてしまうからです。既に実害も他都道府県で起こっています。当会ではレーザーに換わる物を作るために実験を繰り返していますが、指示光線にはそれなりの輝度が必要でどうしても観望を妨げる結果しか得られませんでした。実験を断念する方向です。星空解説だけの時間を設けるなら使用も出来ますが、半径5mが限度でしょう。カメリアなどの大規模な開催での使用についても考えねばなりませんが、過去には使わないで解説していましたので、問題になるものではありません。単純に解説が楽だからと言うことで安全を無視できることではありません。要するに我々の技能を高める必要があります。レーザーコリメータと合わせて来年度に使用するかをメンバーで考えることにします。

また、今年度内は変えませんがキゴ山星見の日に来ただけと作業したとで出席マークを変えるなどの案が出ました。キゴ山からの星の会への委託は、機材の管理・メンテナンスと星の解説のお手伝いに限られています。ですから作業と解説を行わねばならないのです。中には、「解説を断られた」「仲間内で集まって話し込んでいる」などの声を耳にしています。今一度ボランティア活動について議論して来年度にむけて考えましょう。手伝いに参加する人は参加意識をもって指導、補助など行って欲しい。来年度から、参加して協力したかは本人の自覚に任せて、出欠をつける。


☆格安アイピース:米林

ネットで話題になっているレンズもスリーブもプラスチック製のアイピースを購入してみました。
シリーズとして4mm、10mm、22mmの3種類があり見かけの視野は62°、非球面レンズが入っているとの謳い文句です。
プラスチック製だけに非常に軽く今までのアイピースのイメージとは全く違います。
驚くのは中国で作ったプラスチック製のため1個\1,000しません。
像もそこそこ良いらしく、そんなことも相まって人気商品になり2週間ほど待たされ手元に届いたのは例会の2日前でした。
天気が良ければインプレッションを挙げたい所ですが、干場さんが試したいと持って行ったので、後日の干場さんの報告を待ちましょう!


☆この1ヶ月(9/8-10/12)の撮影成果:中嶋

・9/17: 月面「K」確認。
 月齢で予想していたが、予想時間より早く「K」が見られた。
 詳しい説明は今度発行するCOSMOSに掲載した。

 ・9/19: ISSの通過が見えたので撮影。
 移動するものを固定撮影した画像の比較明合成法をStellaImageとSequatorで比較した。
 ISSの軌跡はステライメージの方が明るく表現できるが、連続性の表現が劣る。
 Sequatorはその反対の表現になる。


☆写真;大友

・M31
 この望遠鏡でどれぐらい写るのか試してみました。
 2019年9月6日22時50分(キゴ山わんぱく広場)
 ビクセン13cm反赤 f.l.650mm直焦点 F5
 キヤノンEOS KissX9 ISO3200 120秒 10枚コンポジット ダークフレーム4枚
 


・月面XとV
 2018年11月15日19時01分(金沢市八日市出町)
 ビクセン13cm反赤 f.l.650mm直焦点 F5
 キヤノンEOS KissX9 ISO100 1/125秒 加工無し
 

・いて座
 カメラキットについていたレンズでの撮影です。
 2019年5月4日2時54分(柳田村満天星)
 EF-S18-55mm 18mmF4にて使用 ISO3200 60秒 Photoshopにてカラー補正
 


☆2ケ月ぶりの出陣でしたが…:越野

6月末から天候と"月巡り"に恵まれず、ようやく8月末に2ケ月ぶりでわんぱく広場へ出陣できましたが雲行きが良くなく2体に絞りました。
1つ目はケフェウス座のNGC6946で、エクステンダーを使って10枚コンポジットしました。
元々が小さくて淡いので「どうかな?」 と、思ったのですが、処理すると渦巻がハッキリと見え、まずまずの出来でした。
もう一つはカシオペア座のNGC7635(バブル星雲)です。
これは(雲行きを気にしながら)思い切って19枚コンポジットしました。
これも淡かったので、やむを得ず処理でコントラストを上げ気味にしました。…が、「このような処理方法があるよ」というアドバイスがありました。(ので、来年の課題にします)
これらの合間にCD-1で天の川を撮ってみたのですが、街明かりがかなり映り込んでしまい、フィルターを使ったり補正処理をしても出来は良くなかったです。
…わんぱく広場での天の川撮影は7月頃までですかね?


☆星の会総会について:米林

今期から金沢星の会の会計年度を4月〜3月と変更しました。
これに伴い総会を4月に行うこと(規約第8条)にしていましたが、3月末に会計処理を締め切り、そこから総会までに会計書類を作成することは会計の負担が大きく大変なため、総会実施月の見直しが提案されました。
討議の結果、次回の総会は5月例会時となります。


【これからの行事予定など】

★11/1(金)-2、11/22(金)-23に行われる「キゴ山お泊まりSW」は夕方から明朝に及ぶ長いイベントになるため原則としてキゴ山職員にて対応し、公式には星の会への依頼はありません。
ただ、「22時とか23時ぐらいまでで結構ですので「金曜日は星見の日」と同じ要領で手伝って頂けると助かります」とのことですので、有志を募ります。

★満天星合宿を10/26(土)に行う。
月齢は27.4(21時)。現地での薄明終了18:31、薄明開始04:35。
参加者募集中!

★アイピースケースを星の会で作ろうという提案。(11月頃に予定)
キゴ山ではアイピースをタッパーなどのケースに入れているため、キャップをする必要があります。収納時にもキャップすることは、乾燥出来ず劣化が早まるのです。それに取り出しにくいです。現在市販されているアイピースボックスはほとんど無く、あっても現行のアイピースが入らない物や乾燥対策がなされていない物ばかりです。ですから自作するのが一般的です。今回、ボックスを作る企画を提案し、参加者には自分用のボックスを作り参加費用としたいと思います。キゴ山用には35p、28p、20p、10p×2ケの計5ケースを考えています。材質は湿気を吸収し易い合板とラワン材です。

★会員間の天文機材など融通の場を、1月例会恒例のビンゴ大会の場だけでなく、例会時に提供、希望を提示しても良いことにする。有償、無償は交渉で決める。

★レーザーポインターの使い方で議論があった。危険性は皆認識しているので、まずは使用法のガイドラインを遵守し、レーザーポインターを使わない星空説明を行うように移行していく。


☆電波適正利用についての啓発紹介:越野

電波適正利用に関するDVDを改新しましたのでその中からポイントをかいつまんで紹介しました。
星の会の活動とはちょっと違うのですが、ご協力ありがとうございました。


★その他

例会後に35pの撤収を全員で行いました。
覆いに使っているバイクカバーがカラスの攻撃でかなり傷んでいました。
来期に向けて望遠鏡の覆いをどうするか検討が必要になると思われます。


★次回の例会
 11月10日13:00〜
 キゴ山ふれあい研修センター天文学習棟レクチャールーム




 

2019.10.19


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