2020年 1月 定例会 報告

 

 日 時 :2020年1月12日(日)
 会 場 :野々市市情報交流館カメリア302号室
 出席者 : 22名

年初めの例会ですが、朝から小雨の降る日です。
各自の好意で持ち寄られた景品がテーブルに並び本年の恒例ビンゴゲームも盛況になりました。

【例会内容】

☆井堀邸の基礎工事:長

工大天文研OBOGの井堀さんが家を新築されたとの連絡で、望遠鏡をプレゼントすることになりました。
望遠鏡はこの3年間まったく使っていないアスコの赤道儀に国際光器の25cmニュートンです。
現地は、駐車スペースの問題で建物に隣接する辺りに設置するしかありません。
先に北極星を利用して子午線を引き、後日にコンクリート作りのセットを持って工事です。
防犯対策と雑草防止の砂利が敷き詰められていますので、そのデザインを生かし型枠を作りコンクリートを流し込みます。
最後の仕上げは、防犯砂利を型枠からはみ出さないように化粧張りし全体に砂利を戻せば綺麗に仕上がります。
赤道儀を運ぶ段取りの途中で入院してしまい、完成は先送りになりました。

☆fujinar300mm F4.5レンズを利用して鏡筒を作る;長

ずいぶん前に柴田さんから頂いたレンズです。
アナログ時代のレンズですので青ハロが出ますが鏡筒を作ろうとしていましたが、手持ちの材料では重くなるので躊躇していました。
昨年10月初めに米林氏より加工依頼があり、その時に不要になったビクセンのピラー筒を戴きました。
これを使って鏡筒を作ろうと準備していた時に入院してしまいました。
ベッドであれやこれやと考えている中で、レンズ自身にフォーカス調整がありませんので、普通のドローチューブを加工することを考えました。
一見簡単そうに思えるのですが、ドローチューブの光軸を取るには、スケアリング調整機構などを入れると重く大きくなるだけです。
そこで、ドローチューブの両端に治具を作り、旋盤のチャックとセンターで共切りすることにしました。(回転芯の精度は5/100mm)
切削はかなり慎重にせねばラックピニオンを傷めます。
鏡筒には、レンズ自体を固定するセル・リングとドローチューブを固定するリングを作ります。
完成したものは、センターリングアイピースでは判断出来ないぐらいにセンターが揃っていました。
青ハロ対策には、仮にUVフィルターとSC-48リングを取り付けました。
ただし、これではUVフィルターにより天体写真には短波長側が不足です。
UVフィルターもドーナツ状に加工するのがベストです。

☆ポータブル電源のバッテリー取り替え方法:越野

5年前に購入した「5WAYシステム電源(SG-3500)」のバッテリーが劣化してきたので取り替えました。
当初、本体そのものを買い替えようとしたのですが、価格が12千円ほどなのとバッテリーの処分が面倒なので思案していたところ、以前に河合さんが同様な件を紹介していたことを思い出しました。
早速、通販で同等スペックのバッテリーを見つけ、無事完了することができたので再紹介しました。
価格は6千円ほどで、さらに古いバッテリーを無料で処分してくれるとのことでした。
結果、思い通り既設の電源本体にピッタリと収まり、かつ性能(電圧)も十分でしたのでこれからは安心して撮影に専念できそうです。
なお、同様に当該電源の更改を考えている方がおられましたら詳細な情報をお知らせしますので一報ください。

☆夜露対策用カメラレンズヒーターの紹介:越野

数年前に天体望遠鏡(反射型)の夜露対策用としてビクセン社のヒーター(12V9W)を買い、これをカメラレンズにも併用していたのですが、ゴム製なので柔軟性に欠けて使い勝手が良くなかったのでしばらく使っていませんでした。
昨年春にCD-1を使うようになってからカメラレンズ専用が欲しくなり、発熱量(5V5W)と価格(約1.9千円)の面から「PROSTAGE」という品を見つけて購入しました。…既に一部の会員の方が使用しています…
まだ実際にフィールドで使っていないのですが、試しに通電するとほどほどに暖かくなったので期待したいです。
なお、装着方法について会員の方から、「なるべくレンズ直近は避けてフードに巻きつけるようにしたほうが効果がある」とアドバイスがありましたので、これから使いながら工夫してみたいと思います。


☆下半期成果;立岩

2019年下半期9月から12月までの静止画19点、動画2点発表しました。
撮影場所は輪島、能登町、珠洲で、撮影目標は西方向秋の天の川、カシオペア方向のサラサラとした天の川、オリオン座を中心とした冬のダイヤモンド等です。
秋の西方向の天の川は色鮮やかな中心部分は水平線に沈んでしまいましたが、能登半島外浦でロケーションとして良い場所が多いです。
秋から冬にかけてオリオン座を含む冬のダイヤモンド撮影は内浦がお勧めです。
また星景写真において冬のダイヤモンドは15mmぐらいの広角レンズで撮ると余裕を持った構図になると感じました。
年末の12月28日能登半島最高峰高州山(567m)にて目視はできませんでしたが、カノープスを撮影することが出来ました。


☆20cmによるM42の試写:米林

12/28の夜、今年の仕事も終わったし12月の金沢には珍しく夜間も天気が良かったので M42、M1、馬頭星雲と撮影しました。
撮影に使用した20cmはかなり以前に導入した望遠鏡でしばらく使っていなかったので試写を兼ねての撮影となりました。
今回はその中でM42を紹介しましたがD810aをISO6400に設定、10秒、15秒、30秒と露出時間を変えて1時間に120コマ撮影しました。
試写だったので画像処理はせずにJPEG1枚撮って出しを披露しましたが、カメラの取付等にもう少し改良が必要なこと、街中の光害だらけの所ではいろいろなフィルターワークも対象によっては必須です。
そういうことがわかったことも試写としては成果があったと思います。

撮影コマを見ていて結構たくさんの人工衛星がM42の上下に写っていることに気付き、ここは人工衛星の通り道?連続して現れるのは先日のG5の人工衛星?など勝手な想像をしながらタイムラプス動画を作成してみました。
同じようなコースをいくつもの人工衛星が通っていくのが面白いくらいわかります。

後で知人がこれは静止衛星でG5衛星ではないと教えてくれました。
画像処理で消すこともたやすいようです。
生活に必要な人工衛星の存在はありがたいですが、写真撮影となれば、やはりありがたくないものだと思いました。
余談ながら、当日は結局3時頃まで撮影しました。
屋外での撮影ではないだけに恵まれた条件下とはいえやはり寒かったです。


☆キゴ山展望駐車場からの夜景と星空の撮影:干場

・12月8日、月夜でしたが珍しく西の空に雲がなかったので以前から撮影したかった夜景と星空の撮影を行いました。
駐車場で止めた位置が悪く、他の車からのライトがあたったコマがあったのですが、そのまま比較明合成を行ったところやはり手前に明るすぎる部分がありました。

・次の日、場所を変えて他の車からのライトが影響しない場所を選び撮影したところ、できあがった写真は手前が真っ黒で奥行きのない写真となり、前日のほうが見栄えがします。
やはり遠景、中、近景のバランスが大事だと思いました。

・9日の撮影中にもう1台のカメラで北天の日周運動の撮影も行いました。
手前に木がくるようにし、その後ろには丘が、というようにしたのですが、比較明合成後は木がほとんど写っていません。
そこで1コマを選び、トーン調整で明るくし再度合成したところ、木も明るくなり少々マシになりました。
例会ではまず1コマだけテスト撮影をして、明るさが手頃な露出時間を求めるようアドバイスを受けました。


☆関西支部?の石原さんからビデオメッセージを預かったので紹介:中嶋

 (略)


☆この1ヶ月(12/8/-1/11)の撮影成果:中嶋

・12/8-9:裏庭で撮影。
 ソフトフィルターを使ってみた。
 星団など対象によっては面白い。
 明け方には沈むオリオンが撮影できた。
 このアングルは見られなくなるかもしれない。

・12/9:ISSの通過。
 広角レンズで全経過が撮影できた。

・12/15:ふたご群の撮影。
 月明かりが邪魔だったが、4個捕らえたれた。

☆この1ヶ月(12/8-1/11)のイベント:中嶋

・12/22:サイエンスヒルズこまつで尾崎光紀先生(金沢大学理工研究域電子情報通信学系)のオーロラに関する講演会があったので行ってきた。
星の会のメンバーが5名(山川、新田、米林、松田、中嶋)集まった。
前半は南極観測隊に参加した話しやオーロラについての番組上映など。後半に演者の研究についてがあった。
http://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20190117-10046.html

☆本の紹介:中嶋

・「ビッグショット・オーロラ」 著/廣川まさき  小学館/2017 (\1,300+税)

オーロラの写真が中心かと思ったが、ビッグショット(Big Shot)とは、アメリカ英語で「大物」「重要人物」「有力者」を意味するそうだ。この本ではアラスカで世界的に活躍している日本人地球物理学者、赤祖父俊一先生についての話しがメインで、筆者のオーロラ体験の様子など面白かった。

https://www.bayfm.co.jp/flint/f20171209.html
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388550

本の中に書いてあった全天周映像を撮影するカメラMAKIBISHI
https://www.scalefactory.jp/


※昨年より会計の収支集計を4月基準に変更しましたので、総会は行っていません。
 次回総会は5月例会時となる予定です。
 また、次年度の会費徴収は4月から行います。


☆恒例ビンゴ大会

今年の目玉賞品はカメラバッグ(2点)、立派な大根もありました。



★次回の例会

2月09日 13時〜16時
野々市市情報交流館カメリア 302号室
(二次会は「野々市市 鎌倉パスタ」を予定)


 

2020.1.18


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