日 時 : 2021年3月14日(日)
場 所 : キゴ山ふれあい研修センター・こども交流棟研修室
出席者: 24名
日和よいキゴ山です。
日陰には雪も少し見られます。
COVID-19は、無症状感染者が増大しているので、館の入り口には熱センサーが設置されていました。
いつもより大人数の例会でしたので、会長の判断で途中換気を行いました。
【例会内容】
☆プラリペアの紹介:長
近頃の望遠鏡やコントローラー、その他の機材にプラスティックが多く使われています。
ある意味で壊れるようにしているわけですが、軽く作れることや傷などのクレーム対策、防滴や絶縁を兼ねているわけです。
他の物でも割れたり破損すると気分のいいものではありません。
温風局部加熱で接合するプラ溶接棒やステップル繋ぎなどもありますが、技術が必要ですので、今回はプラリペアだけを紹介しました。
プラリペア
https://www.youtube.com/watch?v=jVOX3BK2e8o
他の接続方法の参考動画
プラ溶接棒
https://www.youtube.com/watch?v=BnvbabArgXA
https://www.youtube.com/watch?v=8-KQbRAda-g
https://www.youtube.com/watch?v=SXlNBuXLJ8E
ステップル補強との組み合わせ
https://www.youtube.com/watch?v=rnBIrJeOX6E
※ステップル補強は既製品もありますが、普通のホッチキスステップルやステンレス針金を加熱して埋め込むことも可能です。
☆火星探査車パーサヴィアランス:長
2月17日にNASAの最新火星探査車が着陸しました。
その動画を紹介します。
今回の探査車は23台ものカメラを搭載し、前例の無いマイクも2本搭載されています。
車体も大きく、そのために以前までのクッション材で包んだ方法でなく、最終的にはぶら下げてタッチダウンする工程を行っています。
初めの降下は大気が薄いので、火星大気圏に突入して時速1450qから2分以内で290qまで減速する必要がありました。
そのためにパラシュートには、帝人が1987年から販売したパラ系アラミド繊維「テクノーラ」が使われました。
強度が鉄の8倍もある繊維で耐熱性にも優れていることから耐熱手袋にも使われている素材です。
探査車は、最後に逆噴射する「スカイクレーン」にて吊り下げながらタッチダウンし、「スカイクレーン」は直ちに飛び去ります。
https://www.youtube.com/watch?v=4czjS9h4Fpg
計画CG
https://www.youtube.com/watch?v=yqqaW8DCc-I
実解説フルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=gYQwuYZbA6o
☆キゴ山の、35pと28pのシュミカセの今後について:干場
- 今年度の、星見の日では新型コロナウイルス対策として、直接望遠鏡で観望するのではなく、電子観望が行われました。
その中で大口径の2台は屋上の振動の影響を受けて本来の性能が発揮されてきませんでした。
2台のシュミカセを地上に下ろして格納庫を新たに立ててその中に据え付けて運用してはどうか、という意見が出ていました。
そのことを3月に直江所長に話したところ、書類にして提出してほしいと言われたので今日の例会で提案した次第です。
例会では様々な意見が出されてました。
それらの意見を活かして簡単な書類を作り、年度内に所長に提出したいと思います。
- キゴ山と言う所について:長
MLで話が出てきました35p、28p望遠鏡の適切な利用について、どんぐり広場に観察所を造る話がでましたので、それについて環境条件を示しておきます。
仕事柄で建築についての地域研究を行っていますので、その中で得た情報の一部のキゴ山周辺の地質や地殻変動、積雪について紹介しておきます。
キゴ山は隣接した休火山の戸室山の南東に位置します。
キゴ山自体も医王山を外輪山とするカルデラの中央に位置する溶岩ドームの一つで大きく分けると戸室山、キゴ山、田島の頂きがあります。
天体観察センターはキゴ山溶岩流によって出来たところです。
戸室山は約50万年まえに出来た安山岩の溶岩ドームです。
1万8千年前に大崩壊を起こしていて、現在も活断層に伴う変動が起こっています。
近い将来には、地震によって大崩壊が予測されているのも事実です。
https://gbank.gsj.jp/seamless/seamless2015/2d/
http://maps.gsi.go.jp/#14/36.528640/136.741118/&base=std&ls=std%7Cafm&blend=0&disp=11&vs=c0j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
キゴ山のメイン望遠鏡の極軸が開所された時よりズレているのは、建物の経年歪みや地盤沈下、赤道儀の個体劣化などもありますが、建物被害が見られないため地殻の変動と思われます。
キゴ山の積雪は、垂直最深積雪量の数値で2m以上で、積雪の単位荷重は積雪量1cmごとに1uにつき29N以上で定められています。
キゴ山は2.2m以上の係数を使う事が必要です。
簡単な紹介は下記の通りです。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/shisaku/yuki/documents/03yuki_chapter1.pdf
これらを踏まえて新設の観察収納所は、積雪、星まつり動線、地盤の安定性や車の光害などを考慮するとどんぐり広場の東のカバ類の木当たりが理想と言えます。
基礎構造は、キゴ山山頂に設置された展望台を例にとるとベースが25pの二重網掛けで浮力を生む逆椀型が良いと思われます。
☆厳冬奥能登の星空:立岩
- )珠洲市長手崎灯台
海抜0m(N37°27.02、E137°21.37)でのカノープス撮影に挑戦しました。
本日月例会での鑑定の結果カノープスを捉えていました。
カノープス撮影の前に灯台と冬の星座撮影を堪能しました。
- )珠洲市旧能登鉄道蛸島駅付近奥能登芸術祭モニュメント
モニュメントと西に傾くオリオン座を絡めて撮りました。
黒いボードでレンズ下部を覆いライトアップの光を減光しました。
- )珠洲市旧能登鉄道蛸島駅付近廃列車
廃列車の正面からギョシャ座と天の川、横から北斗七星、北天の日周運動を撮りました。
日周運動撮影はISO160 30分露出で1枚撮りです。
- )能登町キリコ橋
西方向は漁港の灯りや街灯で明るかったので低い位置から灯りを避けるように撮りました。
また北方向が広く空いていたので北天の日周運動を撮りました。
日周運動撮影はISO160 50分露出で1枚撮りです。
- )能登町恋路海岸
停泊中の漁船の灯りが強すぎたので早々と退散しました。
- )珠洲市見附島
明け方早春のお決まりの構図で見附島と夏の天の川を撮りました。
天の川がハッキリと確認できるタイミングと朝の薄明時間が同じタイミングなので3月以降がベストかもしれません。
☆この1ヶ月(2/14〜3/13)の撮影成果提示:中嶋
3/10-11(木)は終日天候が良さそうなので自宅で撮影した。
- 1ヶ月前、追尾中に鏡筒と赤道儀がぶつかった影響のチェックを兼ねて系外星雲(M81、NGC3521、NGC4088&4085)を撮影した。
- 系外星雲の撮影と並行して、沈むオリオン座のタイムラプス撮影をした。
- 明け方に水星、木星、土星が東天に並んでいる中に有明の月が見えるというので近所に出かけたが、水星は肉眼で確認できなかった。
ISSが土星近くを通るのでそちらを狙った広視野の構図では水星が写っていた。
【議題】
- ふれあい研修センター天文学習棟で星見の日に使用している大型望遠鏡の移設話しが出たということで、経緯と方針を話し合った。望遠鏡の性能を発揮した活用をさせるため、センターに星の会としての提案をすることにした。
- 次期会長をどのように決めるか話し合った。
後日会員による投票で決めることにした。
次期事務局長も選出したいとのことで各々が3名を選び、上位2名を得票順に会長、事務局長に決定することにした。
☆会計から:米林
次回例会で、お手伝い費用の配布を行います。
☆今後の予定
・星の会総会
会則の見直し。
会計報告
・おとなの宇宙塾は9回行うが、そのうち6回を星の会で受け持つ。
担当講師の候補を呼びかけた。
・8月28日(土)月齢19.5 白山吉野オートキャンプ場観望会
★次回の例会
日時 : 4月11日 13時〜16時
場所 : キゴ山ふれあい研修センター・こども交流棟研修室
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